改質アスファルトシート防水で耐久性はOK?防水工事の違いと最適解

防水工事にはさまざまな方法があります。
マンションや商業施設などの大規模建築に採用されるのが、アスファルト防水と改質アスファルトシート防水。
どちらもアスファルトを使用した防水方法ですが、施工の手順や特徴に違いがあります。
RC造の大規模建築物であれば、改質アスファルトシート防水がおすすめです。
この記事でわかること
- アスファルト防水と改質アスファルトシート防水の違い
- 改質アスファルトシート防水の工法
- 改質アスファルトシート防水とシート防水の違い
- 改質アスファルトシート防水に向いている施工場所
修工舎では、防水工事を含む修繕工事に対応しています。
以下のリンクからお問い合わせが可能なので、ぜひご連絡ください。
アスファルト防水と改質アスファルトシート防水の違い

似た名称である、アスファルト防水と改質アスファルトシート防水。
アスファルトを加熱して溶解するかどうかが、両者の違いといえます。
それぞれ特徴があるので、1つずつ説明します。
アスファルト防水:アスファルトと専用シートを使う
アスファルト防水では、加熱・溶解したアスファルトと専用防水シートを使います。
2~4層に重ねて施工するため、厚みのある防水層ができます。
歴史が長く信頼性のある工法ですが、施工時は近隣への配慮が必要です。
特徴①:歴史が長く信頼性のある工法
アスファルト防水は、防水工事の中で最も古い方法です。
日本で初めてアスファルト防水が施工されたのは、1905年といわれています。
100年以上の歴史があり、信頼と実績のある施工方法です。
その信頼性の高さから、官公庁の重要な建物にも採用されています。
特徴②:アスファルトを溶かすので近隣への配慮が必要
アスファルト防水では、近隣住民への配慮が必要です。
施工中に、アスファルトを溶解する必要があるためです。
溶解されたアスファルトの温度は220~270℃に達し、独特なにおいや煙が発生します。
事前に近隣住民へ説明しておくと、施工がスムーズです。
近隣住民や環境への配慮のため、立地条件によっては選択できないケースもあるでしょう。
改質アスファルトシート防水:改良したアスファルトシートを使う
アスファルトを改良したシートを貼り付ける施工方法が、改質アスファルトシート防水です。
アスファルトにゴムや樹脂を加えて改良し、劣化を抑制しています。
- 作業時間が短い
- 地震や台風でも伸縮性で対応
- 耐久性に優れる
これらの特徴を持っています。
特徴①:作業時間が短い
アスファルト防水では、アスファルトを溶解する必要がありました。
しかし改質アスファルトシート防水では、アスファルトを溶解しません。
そのため作業時間が短縮できます。
1~2層で形成できる点も、作業時間が短くなるポイントです。
特徴②:地震や台風でも伸縮性で対応
アスファルトにゴムや樹脂を混合した、改質アスファルトは伸縮性を持っています。
そのためアスファルト防水よりも、ひび割れするリスクが下がります。
例えばビルの屋上に、改質アスファルトシート防水を施したと仮定しましょう。
地震が起きて建物が揺れたとき、伸縮性があるので動きに追従します。
地震や台風の揺れが起きても、屋上の防水層はひび割れしづらく安心です。
特徴③:耐久性に優れる
改質アスファルトは、アスファルトよりも耐久性に優れます。
高温多湿や極寒な環境でも劣化しづらいからです。
さらに先述したように、地震や台風のような揺れにも対応。
- 温度変化
- 気候
- 揺れ(地震や台風)
これらに強いため、耐久性に優れるといえます。
改質アスファルトシート防水の工法

改質アスファルトシート防水を施すには、3つの工法があります。
- トーチ工法
- 常温密着工法
- 機械固定工法
それぞれの施工方法や、メリット・デメリットを説明します。
工法①:トーチ工法
改質アスファルトシートをトーチバーナーで炙る方法が、トーチ工法です。
トーチバーナーは800~1000℃の高温になります。
バーナーで溶着させるため、熱や煙が周囲に発生しません。
シートも隙間なく密着させられます。
ただし施工の仕上がりは、技術者の腕に左右される点がデメリットです。
工法②:常温密着工法
常温密着工法では、粘着層コーティングを行ってシートを貼り付けます。
熱や煙も発生せず環境にも優しいため、密集している住宅街でも採用しやすい工法です。
密着度が他の工法に劣る点は、デメリットです。
防水効果を高めるために、シートに隙間ができないよう複数枚重ねる必要があります。
工法③:機械固定工法
アンカーで下地に直接固定するのが機械固定工法です。
下地に湿気があっても施工可能な点は、大きなメリットです。
改修工事では下地処理が最低限で済み、工期短縮につながります。
機械の音が出るので、近隣住民へ配慮が必要です。
改質アスファルトシート防水とシート防水の違い

改質アスファルトシート防水は、シートを使用します。
そのためシート防水との違いが分からなくなる人もいるでしょう。
この2つの違いは、シートの成分にあります。
改質アスファルトシート防水:アスファルトシートを貼り付ける
改質アスファルトシート防水では、その字のとおり、改質したアスファルトシートを貼り付けます。
材料はアスファルトが主成分です。
シート防水で使うシートと比較して、重みがあります。
シート防水:ポリ塩化ビニルやゴムシートを貼り付ける
シート防水で使うシートは、主成分はアスファルトではありません。
塩化ビニルや合成ゴムでできたシートを使います。
- 塩ビシート防水密着工法
- 塩ビシート防水機械固定法
- 加硫ゴムシート防水
これらはすべてシート防水です。
アスファルトを使わないため、軽量であるのが特徴です。
木造建築物や戸建住宅に向いている防水方法といえます。
アスファルト防水や改質アスファルトシート防水に向いている場所

「アスファルト防水を提案されたけど、この場所に向いている?」と不安になる人もいるでしょう。
一般的に以下のような建築物は、アスファルト防水や改質アスファルトシート防水が向いています。
- マンション
- 商業施設
- ビル
RC造で広い面積の建物が、向いています。
シート防水やウレタン塗膜防水と比べて、アスファルトは重量があるためです。
ウレタン塗膜防水については、以下の記事で詳しく説明しています。
なお、他の防水工事が知りたい人は、あわせてご覧ください。
どの防水工事にすべきか悩んでいるのであれば、修工舎におまかせください。
防水工事のプロとして、ベストな方法の提案とお見積もりを行います。
まとめ:大規模建築なら改質アスファルトシート防水がおすすめです!

アスファルト防水は、信頼性が高いものの近隣や環境への配慮が必要な施工方法です。
改質アスファルトシート防水は、アスファルトを改良しているため伸縮性や耐久性に優れます。
環境にも優しく、臭いや煙で近隣住民へ迷惑をかけないため、おすすめの施工方法です。
アスファルトを使うので、学校や病院のような大規模建築物におすすめです。
防水工事を検討中であれば、修工舎へご相談ください。
施工場所にあった材料や方法を、防水工事のプロが提案します。
相見積でも大歓迎ですので、以下リンクよりお問い合わせください。