脱気筒とは?種類や役割、屋上のメンテナンス方法など徹底解説
脱気筒とは、マンションの屋上に設置されている金属製の突起物のことです。
これは、屋上の真ん中を起点として一定の面積ごとに設置されているという特徴があります。
この脱気筒は、屋上の防水層を守るための役割を担っているため、なくてはならないものなのです。
しかし、年数が経過すると劣化が生じて役割を果たせなくなるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
マンションのオーナー様であれば、脱気筒の役割やメンテナンス方法を知っておくことでメンテナンスの際に役立つでしょう。
そこで今回は、屋上にある脱気筒の種類や役割、メンテナンス方法についてご紹介いたします。
脱気筒(だっきとう)とは
脱気筒とは、下地と防水層の間に発生する水蒸気を外に排出するものです。
防水層は、雨水が建物内部に浸入するのを防ぎ、建物を守る役割があります。
しかし、発生する水蒸気が原因で破損が生じた場合、破損箇所から雨水が浸入して雨漏りなどのトラブルが起こる可能性があるのです。
そのような事態を未然に防ぎ、防水層を長く安心して使えるようにするためには、脱気筒は欠かせない存在なのです。
脱気筒には、種類や設置基準が設けられているため、それを把握しておけば脱気筒についての理解が深まるでしょう。
ここでは、脱気筒の種類や設置基準についてご紹介いたします。
脱気筒の種類
脱気筒には、大きく分けてステンレス製・アルミ合金製・塩化ビニール製の3種類があります。
ステンレス製の脱気筒は、サビに強く耐久性に優れているという特徴があります。
雨や紫外線の影響を受けやすい屋上において、このような特徴のあるステンレス製の脱気筒は大変利点が大きいでしょう。
アルミ合金は表面に安定的な酸化被膜を作る性質があり、耐食性に優れているといった特徴があります。
そのため、脱気筒で使用した場合には、腐食に強いといった強みを持っています
塩化ビニール製の脱気筒は、ベースが塩化ビニールで、キャップ部分がステンレス製であるのが特徴です。
塩化ビニールは耐久性に優れた素材であり、耐用年数は50年以上とされています。
そのため、屋上において長く安定的に使用できるといったメリットがあるのです。
脱気筒の設置基準
脱気筒の設置は、おおよそ50㎡から100㎡に1箇所の間隔で置かれる場合が多いです。
ただし、屋上の面積や施工方法、脱気筒の製品の仕様によってそれぞれ異なるため、一概には言えません。
また、水蒸気は上に逃げるといった性質があるため、脱気筒の設置場所は勾配の高い位置であるという特徴もあります。
脱気筒がないとどうなる?
屋上に脱気筒を設置した際に、突起物が邪魔に感じるといったケースは少なからずあります。
また、下地と防水層の間に発生する水蒸気を外に排出すると言われても、効果がいまいち分からないと感じるかもしれません。
そのため、脱気筒を撤去して屋上を広々使いたいと考える人も中にはいらっしゃるでしょう。
しかし、脱気筒がないとさまざまな問題が生じるのも事実です。
ここでは、脱気筒がないとどのようなことになるのかについてご紹介いたします。
防水層が膨らみやすくなる
屋上の下地は、雨や湿気による水分を含んでいるため、昼夜の寒暖差や日光の熱によって水蒸気が発生します。
防水層が形成されている屋上において水蒸気が発生した場合、これが原因で防水層に膨らみが生じてしまいます。
防水層の膨らみが生じることで下地との密着性が損なわれてしまい、耐久性が低下するといった問題の原因となるのです。
脱気筒は発生した水蒸気の逃げ場を用意する役割を担っているため、防水層の膨らみを防止する効果を担っています。
もし屋上に脱気筒がないとすれば、逃げ場を失った水蒸気が防水層に膨らみを生じさせるため、防水層の寿命を縮めるのに一役買ってしまうのです。
防水層に亀裂や穴が発生しやすくなる
脱気筒が設置されていない屋上では、下地から発生した水蒸気により防水層の膨らみによる耐久性の低下といった問題が生じます。
膨らみが生じた箇所は外部からの刺激や、蓄積された水蒸気によって亀裂や穴の発生などのような破損が起こるのです。
本来であれば建物を雨水から守るための役割を担っている防水層ですが、亀裂や穴などの破損が生じた場合には、逆にそこから雨水の浸入を許してしまいます。
さらに、破損箇所から劣化が急速に進むため、防水層の寿命が大幅に短くなってしまうのです。
結果として、防水層の施工の頻度が上がり、費用の負担が大きくなるといったことにもなりかねません。
下地が劣化しやすくなる
下地と防水層の間に発生する水蒸気によって、防水層に膨れや破損が生じるとご紹介しましたが、下地の方にも負荷がかかります。
負荷がかかった下地にも亀裂などの破損が生じ、劣化しやすくなるといった問題につながるのです。
防水層と下地の両方に破損・劣化が生じた場合、そこから雨水が浸入し、雨漏りにつながるでしょう。
雨漏りの発生は、住民の方々とのトラブルや建物内部の腐食による耐久性の低下など、大きな問題に発展する可能性が高いものです。
脱気筒は、これらの問題を未然に防ぐ役割があるため、脱気筒の設置を検討することが推奨されるのです。
屋上のメンテナンス方法
脱気筒の設置によって、防水層や下地の破損が起こるリスクを減らせるといった効果が見込めます。
しかし、年数が経過するにつれて脱気筒・防水層ともに経年劣化が生じることから、屋上の定期的なメンテナンスは欠かせません。
ここでは、屋上のメンテナンス方法についてご紹介いたします。
こまめに掃除する
屋上をこまめに清掃することで、防水層の破損や雨漏りの発生を防ぐ効果があります。
屋上には、溜まった雨水を排出する排水溝が必ず設けられております。
しかし、土埃や埃、枯れ葉などのさまざまなゴミが屋上に溜まり、それが排水溝を詰まらせてしまうといったことが起こりがちです。
このような状況になると、雨水がうまく排出できなくなり、屋上に大きな水溜まりができてしまいます。
雨水が溜まることで防水層に負荷がかかるため、寿命が短くなるのです。
また、場合によっては劣化が進んだ防水層から水溜まりの水が浸入し、雨漏りを引き起こすといったことも起こり得るのです。
屋上は普段目にする機会が少ないものの、季節によっては僅か数日で排水溝を塞ぐほどのゴミが溜まるといったこともあります。
そのため、排水溝の詰まりを未然に防ぎ、防水層の劣化や雨漏りを起こさないためにも、屋上のこまめな掃除が重要なのです。
トップコートを定期的に塗り替える
防水層の劣化を抑える役割を担っているトップコートは、劣化が進むと表面にひびが生じることがあります。
ひび割れが生じた箇所から、雨と紫外線によって防水層の劣化が引き起こされてしまいます。
トップコートの耐用年数はおおよそ5年前後であり、それを超えると劣化や破損が生じやすくなるため、防水層を守る効果を見込めません。
ただし、耐用年数を過ぎていなくても、屋上の環境や外的要因により破損・劣化が生じることも多々あります。
そのため、5年を目安にしつつ、トップコートに何かしらの異変が生じた際は、すぐに業者に相談して塗り替えるようにしましょう。
脱気筒や屋上の改修工事は修工舎にお任せください!
修工舎は東京都中央区に拠点を置き、東京都・埼玉県・千葉県・茨城県のエリアにて防水工事や塗装工事、そのほか修繕工事を承っている住宅のプロです。
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脱気筒や屋上の改修工事をご検討の際には、修工舎にお任せください。
まとめ
屋上はメンテナンスを怠っていると、防水層の劣化や排水溝の詰まりなどのトラブルが起こる可能性が高いため、こまめな状況の確認とメンテナンスが欠かせません。
ただし、状況によっては脱気筒の交換や防水工事の再施工のような大掛かりな施工になってしまうこともあります。
屋上は常に紫外線や雨に晒されている場所であるため、施工の品質が悪いとすぐに雨漏りが生じて建物の寿命を短くしてしまうこともあり得るのです。
そのため、信頼できる業者に相談して高品質な施工を実現することが大切です。
修工舎では、脱気筒や屋上の改修工事を含めて、多くの現場で施工を行ってきた実績がございます。
これまで培ってきたノウハウ・技術を生かして、お客様の大切な建物をお守りいたします。
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