マンションの外壁メンテナンスをするべきタイミングとは?塗装の種類や費用相場など徹底解説
マンションを所有されている方の中には、新築から年数が経過したタイミングで専門業者から外壁メンテナンスをおすすめされた経験がある方も多いでしょう。
外壁メンテナンスを定期的に行うことは大切であると思いつつも、施工にはどれくらいの費用が必要なのか分からないとなかなか検討しにくいかもしれません。
また、外壁メンテナンスはどのタイミングでするべきか分からなければ事前の予算などの準備ができないでしょう。
そこで今回は、マンションの外壁メンテナンスをするべきタイミングや費用相場などについてご紹介いたします。
マンションの外壁メンテナンスが必要な理由
マンションの外壁メンテナンスを専門業者におすすめされたとしても、なぜその施工が必要なのか分からなければ前向きな検討も難しいでしょう。
ここでは、マンションの外壁メンテナンスが必要な理由についてご紹介いたします。
外観に大きく影響するため
外壁メンテナンスを怠っているマンションでは、外壁の塗装の剥がれや汚れの蓄積により、見た目が周囲の物件と比べて劣るようになってしまいます。
入居するマンションを探している方は、家賃や間取りといった条件だけではなく建物のキレイさ・快適性を求めています。
そのため、物件見学に来た方が、汚れている外壁のマンションを見て入居する意欲が失われてしまうかもしれません。
近年ではインターネットで物件を探す方も増えており、物件の写真は大きな判断材料になっています。
外壁に汚れが溜まった物件では、見学に行こうとする方も減ってしまうため、新規の入居者が獲得できないといった状態になりかねません。
マンション経営は、入居者からもらう家賃収入が何よりも大切です。
外観メンテナンスを怠り入居率が低下することで、マンション経営がうまくいかなくなるといったことも起こり得るのです。
建物の寿命を延ばすため
マンションの外壁メンテナンスを怠ると、外壁のひび割れや塗装の剥がれが発生します。
この状態になると、雨水が建物の内部に浸入するため雨漏りが発生するかもしれません。
雨漏りが発生した場合、入居者の家具や家電を破損させるといったことになりかねないため、大きなトラブルに発展する可能性があります。
さらに、建物内部に浸入した雨水が建物を支える鉄骨を腐食させてしまい、耐久性を下げるといったことにもなりかねません。
結果として建物の寿命が短くなるため、建て替えの時期が早まることや修繕工事を頻繁に行わなければいけなくなるといったことになるのです。
そのため、建物の寿命を伸ばすために外壁メンテナンスは欠かせません。
【マンション】外壁塗装の種類
塗装工事に用いられる塗料にはさまざまな種類があります。
その中から施工する建物の状態や予算、耐用年数を加味して適切な塗料を選ばなければいけません。
どのような塗料があるのか、それぞれの特徴について知っておくことで業者との打ち合わせがスムーズに進むでしょう。
ここでは、外壁塗装で使用される塗料についてご紹介いたします。
アクリル塗料
アクリル塗料とは、アクリル樹脂を主成分とした塗料です。
光沢があり発色しやすいといった特徴のあるアクリル塗料は、色の種類が豊富にあるため、自身の理想とする色に出会いやすいでしょう。
また、水か溶剤に溶かすだけで使用できる1液型がほとんどであるため、施工がしやすいといった魅力もあります。
ただし、アクリル塗料の耐用年数は3年から8年程度であるため、こまめな塗り直しが必要です。
ウレタン塗料
ウレタン樹脂を主成分としたウレタン塗料は、密着度や柔軟性が高いため塗りやすいといった特徴があります。
そのため、外壁だけではなく場所を限定せずにどのような箇所でも施工できるといった魅力がある塗料です。
また、価格が安く使い勝手が良いため、以前は外壁塗装の主流でした。
そんなウレタン樹脂の耐用年数は5年から7年とされています。
シリコン塗料
現在外壁塗装において最もスタンダードな塗料の1つであるシリコン塗料は、シリコン樹脂を主成分とした塗料です。
耐用年数が7年から10年とされており、アクリル塗料やウレタン塗料よりも長持ちするといった特徴があります。
シリコン塗料で施工した塗膜には汚れが付きにくいため、建物の美観を長期間保てるといった魅力があります。
また、耐候性や耐熱性があるなど、さまざまなメリットがあるため、外壁塗装では非常に重宝されているのです。
フッ素塗料
耐熱性や耐寒性に優れているフッ素塗料は、さまざまな気候に対応できる塗料です。
耐用年数が12年から20年と非常に長いため、マンションやビルなどの大型の建物に使用されることが多いです。
フッ素塗料は耐久性や耐摩耗性に優れていることや、汚れが付着しにくいといったさまざまな強みがあります。
他の塗料よりもコストが掛かるものの、それに見合ったさまざまな性能がある塗料です。
【マンション】外壁塗装の費用相場
マンションの外壁塗装を検討した場合、どれくらいの費用が掛かるのか事前に知らなければ予算を検討することが難しいです。
事前に費用相場の目安を知っておくことで、さまざまな準備ができるでしょう。
ここでは、マンションの外壁塗装における費用相場についてご紹介いたします。
外壁塗装の施工単価
ご紹介した塗料の中でも最も耐用年数が短いアクリル塗料で施工を行った場合、1㎡あたり1,000円から1,800円が相場となります。
次に耐用年数が短いウレタン樹脂であれば1㎡あたり1,700円から2,500円であるため、アクリル塗料よりもやや高額です。
一方で、外壁塗装で多く採用されているシリコン塗料は、2,300円から3,500円です。
そして、最も性能が良く耐用年数の長いフッ素塗料の施工単価は、1㎡あたり3,500円から5,000円と最も高額ですが、その分長持ちするため塗り替えの頻度を減らしたい方にはおすすめします。
マンション階数ごとの費用相場
外壁塗装では塗料だけではなく足場の設置や外壁の洗浄、養生などのようなさまざまな工程が必要です。
マンションは建物によって階数が異なりますが、外壁工事では階数が増えれば増えるほど費用相場が上がります。
3階建てのマンションでは、130万円から410万円、4階建てでは340万円から550万円です。
また、5階建ては450万円から670万円、6階建ては540万円から820万円が費用相場になります。
さらに、7階建てのマンションの場合には630万円から950万円と非常に高額になるのです。
これは塗装工事を行う度に掛かる費用であるため、高層マンションを所有している方は耐用年数の長さや費用対効果で使用する塗料を検討しましょう。
外壁塗装が必要なタイミングとは?
耐用年数を迎える前に外壁塗装を行うべきタイミングが訪れるかもしれません。
そのタイミングとは外壁塗装の劣化症状が確認できた時です。
ここでは、外壁塗装が必要なタイミングについてご紹介いたします。
ひび割れやはがれがある
外壁塗装のひび割れやはがれが生じていると、そこから雨水が浸入する可能性が高いです。
この状態を放置していると雨水が浸入して、雨漏りや建物の寿命の低下といった問題を引き起こすでしょう。
僅かなひび割れやはがれでも大きな問題に繋がるため、すぐに業者に相談しましょう。
チョーキング現象が発生している
外壁を触れた際に白い粉がつくチョーキング現象は、紫外線や雨風から建物を守る塗装が劣化しているサインです。
チョーキング現象を放置していると建物の耐久性の低下に繋がるため、業者への相談と対処が欠かせません。
カビや藻が発生している
外壁に湿気や水分が蓄積されていると、カビや藻が発生するケースがあります。
湿気や水分が蓄積されているということは、塗装が本来の役割を果たせない状態になっているため、危険です。
また、カビの場合には健康被害に繋がるため、至急修繕を行う必要があります。
まとめ
マンションの外壁メンテナンスを怠ると、入居率の低下や建物寿命が短くなるといったさまざまな問題を引き起こします。
そのため、定期的な外壁メンテナンスを行い、常に万全の状態にしなければいけません。
外壁メンテナンスには費用が掛かるため、事前に家賃収入の一部を溜めておき準備を進めていくことが大切です。
そして、塗装工事の際には用いる塗料や工法など、さまざまな点で業者と相談する必要があるため、事前にそれぞれの特徴を知り、外壁メンテナンスを行いましょう。