マンション大規模修繕でよくあるトラブルと対策!ベランダにおける事前準備など徹底解説
マンションで大規模修繕を行う際は、トラブルが起こることがあります。
この工事には多くの居住者が関わることに加えて、多額の金額・相応の施工期間が必要になるため、一般住宅での施工よりもトラブルのリスクが高いのです。
このようなトラブルを未然に防ぐためには、徹底した事前準備が欠かせません。
そこで今回は、マンションにおける大規模修繕でよくあるトラブルと対策、必要となる事前準備についてご紹介いたします。
マンション大規模修繕について
頑丈に建設されたマンションであっても、年数の経過に伴い多くの箇所で不具合や劣化が生じてしまうものです。
そのため、おおよそ13年から16年周期で建物本体や設備への大規模な修繕工事・改修工事が行われます。
このような施工のことを、大規模修繕と言います。
大規模修繕は建物の安全と資産価値を守り、居住者が安心して快適に生活を送るために欠かせない修繕です。
主な工事内容
マンション大規模修繕の主な工事内容として、仮設工事・下地補修工事・シーリング工事・塗装工事・防水工事などが挙げられます。
建物の共用部で劣化が生じている箇所を補修することを目的としているため、行われるべき工事には多くの種類があるのです。
工事期間
マンション大規模修繕は、着工から完成までおおよそ3ヵ月から半年の期間が必要になります。
また、100戸以上の大型マンションの場合は、1年以上の期間がかかることもあるのです。
マンションの規模によって工事期間は異なるため、検討される際は施工業者に工期を確認しましょう。
工事費用
マンション大規模修繕は、施工回数によって必要になる費用が異なります。
1回目の施工であれば、おおよそ4,000万円から6,000万円、2回目であれば6,000万円から8,000万円となります。
また、3回目以降になるとさらに費用が高額になるのです。
回数を重ねるごとに金額が変動するため、新築当初からマンション大規模修繕を見据えて計画的に資金を積み立てていくことが欠かせません。
マンション大規模修繕でよくあるトラブルと対策
マンション大規模修繕で起こりがちなトラブルには、いくつかの種類があります。
どのようなトラブルが起こりやすいのかを知っておくことで、事前に準備ができるはずです。
ここでは、マンション大規模修繕でよくあるトラブルと対策をご紹介いたします。
修繕積立金が足りない
大規模修繕の施工費用は、分譲マンションであれば区分所有者が納める修繕積立金を用いることが多くあります。
しかし、修繕積立金の滞納や修繕計画の見込みが外れるなどの問題が発生した場合、修繕積立金が足りなくなるといったことが起こり得るのです。
修繕積立金が不足すると大規模修繕の実施が困難になるため、絶対に避けたいトラブルといえるでしょう。
対策
このトラブルが発生した場合、工事費用を見直して費用を抑えるといった対策が効果的です。
施工業者への値引き交渉や、必要性の高い施工にのみ絞って施工を行うことで、予算内に収められるかもしれません。
しかし、この方法でも大規模修繕の実施が困難な場合は、修繕積立金の追加徴収・値上げを検討する必要があります。
この方法を実施する場合は、住民の方に事情をご説明してご理解いただくことが必須です。
居住者や近隣住民からクレームが入る
大規模修繕を実施した場合、騒音や埃、臭いなどの発生により、洗濯物を干せない・生活環境が悪くなるなどの問題が生じます。
結果としてストレスが溜まり、クレームに発展することがあるのです。
また、居住者だけではなく近隣住民からクレームが入ることも多々あります。
そのため、大規模修繕を検討する場合は、クレームへの対処を講じることが求められます。
対策
居住者や近隣住民の方々からのクレームへの対策として挙げられるのは、事前の丁寧な説明です。
どのような施工を行うのか・どのようなトラブルが起こる可能性があるのかなどを全て説明し、その上で納得いただけるような働きかけが必要不可欠です。
このような説明を真摯に行うことで、クレームの発生件数を抑えることができるでしょう。
ベランダや共用部に私物が置いてある
大規模修繕を行う場合、ベランダや共用部にある私物を全て撤去しなければいけません。
私物を置いてある状態の場合では施工ができず、施工の遅延が生じるのです。
対策
大規模修繕の開始前に、全ての居住者に対して私物の撤去を行う必要があることを通知する必要があります。
また、マンションの敷地内に私物の仮置き場を設けることで撤去をスムーズに行えるようになるため、ぜひ検討してみてください。
空き巣被害が発生する
大規模修繕の実施中は足場が組まれるため、そこが侵入経路となって空き巣が発生することがあります。
施工中は不特定多数の作業員がマンションに出入りするため、作業員ではない不審者が入り込んでも気が付かないといったことが起こり得ます。
対策
大規模修繕に携わる作業員に腕章を着用させることで、工事関係者かどうかを容易に見分けられるようになります。
また、防犯カメラ・人感センサーを設置することも空き巣の発生を未然に防ぐ対策として効果的です。
施工不良や遅延が発生する
施工業者の技術力不足や施工ミスにより、施工不良・遅延が発生することがあります。
このようなトラブルが発生すると、施工箇所のやり直しや施工期間の延長により余計な費用が生じる可能性があるのです。
また、完成後に施工不良が発覚した場合は施工を全てやり直さなければいけないなど、大きな問題に発展することもあります。
対策
このトラブルの発生を未然に防ぐためには、信頼できる施工業者へ施工を依頼することが欠かせません。
経験豊富な信頼できる業者に依頼すると施工不良・遅延が発生するリスクを抑えられるため、大きなトラブルにつながりにくいはずです。
追加費用を請求される
大規模修繕の施工中・施工後に、予定していなかった費用を追加請求されてトラブルに発展することがあります。
原因としては、施工業者が悪徳業者で不要な工事を承諾なく施工されたケースと、配管内部や給水ポンプなどの事前に分からない箇所に故障が生じていたため該当箇所を施工をしたケースなど、さまざまな理由が考えられます。
対策
施工業者から追加費用を請求された場合、まずはどの箇所をなぜ施工したのかをよく確認しましょう。
また、施工が契約前の見積書に含まれているかどうかを確認するなど、慎重な対応が求められます。
業者に言われるがままに費用を支払うのではなく、その請求が妥当なものかを冷静に判断して対応しましょう。
マンション大規模修繕を業者に依頼する際のポイント
マンション大規模修繕を業者に依頼する場合、注意すべきポイントがいくつもあります。
業者への依頼方法を誤ると、後々トラブルの原因になりかねません。
ここでは、マンション大規模修繕を業者に依頼する際のポイントについてご紹介いたします。
大規模修繕の施工実績や担当者の対応を確認する
大規模修繕におけるトラブルを防ぐためには、施工実績が豊富で技術力の高い専門業者に依頼することが大切です。
施工実績はホームページに掲載されていることが多いため、必ず依頼前に確認しておきましょう。
また、口コミを確認したり担当者の対応を確認したりすることも目安となります。
大規模修繕を検討する場合は、業者の施工実績や担当者の対応を入念に確認することをおすすめします。
複数の業者に相見積もりを取る
複数の業者に相見積もりを取ることで、施工費用の大まかな相場が分かります。
また、それぞれの業者の見積書を見比べることで、施工費用が安い業者を見つけられるため費用の負担を軽減できる効果も見込めるでしょう。
保証やアフターサービスを確認する
施工業者ごとに保証やアフターサービスの内容は異なります。
そのため、依頼する業者にどのような保証やアフターサービスが設けられているのかを確認しましょう。
保証やアフターサービスが充実していれば、施工後に問題が発生してもすぐに対応してくれるため、安心して依頼できるはずです。
まとめ
マンションの大規模修繕は非常に大規模な工事になるため、仮にトラブルが生じると大きな問題に発展する可能性があります。
そのため、信頼できる業者を見つけて計画的に進めることが大切です。
信頼できる業者に依頼するとトラブルの発生リスクを抑えられるため、安心して依頼できます。
マンション大規模修繕を検討される際は、今回ご紹介させていただいたようなトラブル・対策などを含めた工事に関する事前知識を備えておき、必ず信頼できる業者に依頼しましょう。