マンションの屋上に必要な防水工事とは?種類や業者に依頼する際の注意点など紹介
マンションの屋上は雨水が溜まりやすいため、定期的に防水工事やメンテナンスを行ってトラブルの対策をしなければいけません。
しかし、マンションのオーナー様の中には防水工事がどのような工事なのかよく分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
防水工事について詳しく知っておくことで、防水工事業者との打ち合わせをスムーズに進められます。
また、施工時はいくつかの注意点があるため、事前に注意点をチェックしておくと役立つでしょう。
そこで今回は、マンションの屋上における防水工事や依頼する際の注意点について、ご紹介させていただきます。
防水工事とは?
ご自宅やマンションをはじめとした建物の屋上・ベランダ・屋根など、雨風に晒されることの多い箇所を守るために行う施工を防水工事といいます。
防水工事を行うことで、建物内部への雨水の浸入を防ぎ、建物を保護できるのです。
そのため、多くの建物は新築工事の際に防水工事が行われています。
しかし、防水工事には寿命があり、寿命を迎えると防水効果がなくなってしまうのです。
そのため、定期的に防水工事を行い、建物を適切に守れるように万全の状態にすることが大切です。
そんな防水工事には、施工方法によっていくつかの種類があります。
防水工事を行う場合は、施工する場所・状況に応じて、どの施工が最適であるかを判断する必要があるのです。
このような判断はプロの防水工事業者が行いますが、施工を行うオーナー様も防水工事の種類を知っておくと安心して依頼できるでしょう。
防水工事の種類
前述のように、防水工事にはいくつかの種類があります。
ここからは、屋上防水に適した防水工事をご紹介させていただきます。
FRP防水
FRP防水とは、ロケットや船舶などでも使用される強化繊維プラスチック(FRP)を用いた防水工事です。
FRPを施工箇所に敷き、その上から樹脂を塗り、さらにその上に保護するためのトップコートを塗るという手順で施工が行われます。
耐久性・防水性に優れたFRPを使用している防水工事であるため、常に雨風や紫外線に晒されるマンションの屋上に最適です。
また、この工法は塗膜の乾燥を待つ工程が少ないという特徴もあります。
そのため、施工に必要な工期が1~2日と非常に短いといった魅力があります。
ウレタン防水
施工箇所に対して液体状のウレタン樹脂を複数回塗布する防水工事のことをウレタン防水といいます。
施工箇所に直接塗布する密着工法と、専用のシートを施工箇所に貼り付けてから樹脂を塗布する通気緩衝工法の2種類があります。
ウレタン防水の強みは、液体状のウレタン樹脂を使用するため、施工箇所が複雑な形状であっても施工できるという点です。
また、他の防水工事と比べて費用が安いといった特徴もあります。
塩ビシート防水
塩ビシート防水とは、厚さ1.5㎜ほどの塩化ビニル樹脂を原料としたシートを、施工箇所に貼り付けることで行う防水工事です。
施工箇所に直接貼り付ける密着工法、専門の機械を用いて貼り付ける機械固定工法の2種類があります。
使用するシートは熱や紫外線に強いため、耐久性に優れているといった特徴があります。
また、前回行った防水工事が塩ビシート防水でなかったとしても、上からシートを被せる塩ビシート防水であれば問題なく施工できる点も魅力といえるでしょう。
さらに、シートを張り付けるという施工であるため、仮に広い面積であっても1度にまとめて施工を行えるという強みがあります。
アスファルト防水
アスファルト防水とは、液体状に溶かしたアスファルトで合成繊維不織布のシートをコーティングしたルーフィングシートを、施工箇所に重ね貼りする防水工事です。
この工法は、常温工法・トーチ工法・熱工法の3種類に分類されます。
施工には防水効果の高いアスファルトを用いているため、高い防水効果を見込めるでしょう。
また、他の防水工事よりも寿命が長いため、長い目で見た時のコストを抑えられるといった強みがあります。
アスファルト防水は、100年以上前から施工されてきた歴史のある防水工事です。
そのため、これまで積み重ねてきた多数の施工実績やデータがあるため、信頼性が高いという魅力もあります。
屋上の防水工事をするタイミングとは?
屋上防水には、行うべきタイミングがあります。
そのため、下記でご紹介させていただく適切なタイミングに合わせて、防水工事業者に相談することをオススメします。
耐用年数が経過したとき
FRP防水やウレタン防水であれば10年前後、塩ビシート防水は10年から15年、アスファルト防水は15年から20年というように、それぞれに耐用年数が定められています。
この年数に近づくにつれて、徐々に防水効果が失われてしまいます。
仮にそのまま放置していると本来果たすべき役割を果たせなくなり、建物内部に水が浸入してしまうのです。
そのため、事前に耐用年数を確認しておき、寿命を迎える前に防水工事業者に相談しましょう。
劣化症状がみられるとき
耐用年数を迎える前に防水工事を実施するケースもあります。
それは施工箇所に劣化症状が確認された場合です。
劣化症状とは、施工箇所のひび割れや膨れ、シートのめくれや破断、雑草や藻の発生などといったものです。
これらの症状が発生したばかりであれば、修繕を行うことで対策できます。
しかし、発見まで時間がかかってしまうことや問題を放置していた場合は、建物内部に水が浸入してしまい、雨漏りが起こるかもしれません。
防水工事の異常は目視で分かる場合が多いため、少しでも異常があれば、早急に防水工事業者に相談することをオススメします。
マンション屋上の防水工事を業者に依頼する際の注意点
マンション屋上の防水工事を業者に依頼する場合、トラブルに巻き込まれないためにいくつか注意点があります。
ここでは、トラブルに巻き込まれないための注意点についてご紹介させていただきます。
施工実績が多い業者を選ぶ
防水工事はスキルのある業者に依頼しなければ、施工不良が起こる可能性があります。
そのため、防水工事を依頼する際は施工実績が多い業者を選ぶことが大切です。
施工実績が豊富な業者であれば、ノウハウがあるため、高品質な施工を行ってくれるはずです。
また、現場の状況に応じた柔軟な対応もできるため、安心して任せられるでしょう。
見積書の記載内容を確認する
見積書を見る際は、金額だけではなく記載内容を入念に確認しましょう。
仮に入念に確認していなければ、必要な工程を省いた見積書を提案され、工事が始まってから追加契約を結ばされるというケースも起こり得ます。
安い金額が魅力的で依頼したものの、その後追加契約が生じて、結果的に高くなってしまったということもあるのです。
このようなトラブルを防ぐためにも、見積書に必要な工程が全て記載されているのかを入念に確認しましょう。
保証やアフターサービスを確認する
防水工事は施工を行ってそれで終わりという訳ではありません。
不具合が発生した場合の修繕、耐用年数を迎えた後の再工事などが必要です。
また、万が一不具合が生じた場合には、その対策も欠かせません。
そのため、このようなことを加味して、保証やアフターサービスが充実している業者に依頼しましょう。
保証やアフターサービスがあれば、施工後も安心して相談することができます。
さらに、防水工事の耐用年数を迎えた後でも、再度施工を依頼できる良好な関係性も築けるはずです。
防水工事を依頼する際は、ホームページや実際の問い合わせなどで業者のサービス内容に注目してみましょう。
まとめ
今回は、マンションの屋上に必要な防水工事について、ご紹介させていただきました。
防水工事は建物を雨水から守るために欠かせない工事です。
特にマンションのケースであれば、雨漏りが発生すると入居者からのクレームの原因になりかねません。
このようなトラブルを防ぐためにも、屋上を小まめに確認して、適切なタイミングで防水工事を行いましょう。
防水工事業者は数多く存在するため、施工実績やサービス内容を事前にチェックして、満足できる工事を実現しましょう。