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FRP防水のトップコートとは?種類や塗り替え時期など防水のプロが徹底解説

防水工事

雨漏りや漏水を防止するために、屋上やバルコニーなどは防水対策が必須です。しかし、その防水工事の特徴などは専門業者以外ほとんど知られていません。

そのため、漏水や雨漏りが発生したときの工事の内容が正しいものかわからず、不安になることもあるのではないでしょうか。

この記事を読んでいただければ、FRP防水などの特徴が理解できるため、防水工事の際に検討すべき点がわかります。

FRP防水とは?トップコートとは?

トップコートの特徴

トップコートとは、防水工事の仕上げの際に施工する塗料のことです。これにより、防水層の劣化を抑えられます。

防水構造のイメージは、下から順に「下地」「防水層」「トップコート」が積み重なっているイメージです。

もし、トップコートを施工していなければ、防水層が紫外線などを直接受けて、劣化を早めてしまいます。

防水層を守る以外にも、種類によっては遮熱効果や滑り止めなどの効果があり、トップコートによって建物は守られています。

FRP防水の特徴

FRP防水とは、FRP樹脂とガラス繊維で作ったシートを組み合わせて防水層を形成する工法です。

FRPとは「繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)」の略称で、ガラス繊維などの補強材で強化したプラスチック樹脂のことです。

FRP防水のメリット

こちらでは、FRP防水のメリットについて解説していきます。

メリットは次の点です。

  • 軽量で強度がある
  • 継ぎ目のない仕上がり
  • 耐摩耗性が高い
  • 剥がれにくい
  • 硬化速度が速い

順番に解説します。

軽量で強度がある

防水層の重量は3〜5kg/㎡程度なので、躯体に大きな負担をかけません。軽量で歩行が可能な、強度が高い防水層を作ることができます。

継ぎ目のない仕上がり

ポリエステル樹脂を塗装して防水層を作るため、継ぎ目の無い仕上がりになります。継ぎ目がないことも一因となり、優れた防水性を発揮します。

耐摩耗性が高く、剥がれにくい

衝撃に強い防水層で、塗膜が剥がれにくいことも特徴です。歩行可能なため、洗濯物を干したりして人の移動があるベランダやバルコニーに向いています。

硬化速度が速い

樹脂の硬化速度は速いため、施工後数時間程度で塗膜が作られます。そのため、施工面積にもよりますが、防水工事の工期が短く、何層も重ねる仕様であっても1日で完了させることも可能です。

FRP防水のデメリット

ここからは、FRP防水のデメリットについて解説していきます。

デメリットは次の点です。

  • 紫外線に弱い
  • 広い木造のベランダやバルコニーには不向き
  • コストが高い

順番に解説します。

紫外線に弱い

プラスチック樹脂のため、紫外線に弱いことが特徴の一つです。長期間にわたり紫外線に当たると劣化し、ひび割れを起こす場合があります。ひび割れから始まり、トップコートが剥がれてしまうと、防水層の劣化が早くなってしまいます。

広い木造のベランダ・バルコニーに向いていない

FRP防水は伸縮性があまりありません。

地震や台風が発生したときなど、木造の構造部分との変形量の違いに差があるため、木造で面積の広いベランダやバルコニーでは、ひび割れが起きる可能性があります。

FRP防水は、変形量の少ない鉄骨造・コンクリート造の住宅・建物に使用しやすい防水工法です。

木造住宅でも狭い範囲であれば問題ありません。しかし、不安がある方は必ず専門家に相談しましょう。

コストが高い

FRP防水工法は他のシート防水工法などに比べてコストが高いです。

防水工事は、どの工法が一番いいのか下記の条件によって変わります。

  • 建物の状態
  • 下地の状態
  • 気候などの環境

予算の都合も考慮し、慎重に進めることをおすすめします。

トップコートの種類

ウレタン系トップコート

ウレタン系トップコートは、ウレタン防水工事の仕上げで使用する塗料です。

この工法は、ウレタン樹脂を塗装して塗装防水層を作ります。複雑な形状の場所にも施工できますが、紫外線に弱いという特徴があるため、トップコートが必須です。

ウレタン系のトップコートには「アクリルウレタン系」「フッ素系」があります。アクリルウレタン系のトップコートは伸縮性があります。そのため、塗り替えなどの工事に適しています。

アクリルウレタン系は、FRP防水工事で多く使用されているトップコートです。ポリエステル系よりも硬さで劣りますが、再塗装で利用可能です。

また、耐用年数は3〜5年ほどなので、防水層を保護するための再塗装が必要です。

ポリエステル系トップコート

ポリエステル系トップコートは、FRP防水工事のトップコートとして使用します。非常に硬く、丈夫で耐荷重性にも優れているという特徴があります。

乾燥した状態では硬くなりやすく、また重ね塗りをすると割れやすいです。そのため、メンテナンスでの使用には適していません。再塗装で選ばれる可能性は低いです。

ポリエステル系トップコートの耐用年数は約5年で、屋上、バルコニー、ベランダに施工されます。

フッ素系トップコート

フッ素系トップコートは、汚れを弾く機能性があり、耐久性は約10年ほどで、ウレタン系よりも機能性・耐久性共に優れています。

しかし、コストが高いため需要は多くなく、あまり一般的に使用されていません。コストをかけて、メンテナンス期間の間隔を空けたい方にはおすすめです。

       

トップコートの劣化により起こる症状、塗り替えの時期目安

トップコートの劣化により現れる現象

トップコートが劣化すると、どのような状態になるのか解説します。

主に次のような状態です。

  • チョーキング現象
  • 退色の発生
  • ひび割れ・剥がれ
  • カビ・雑草の発生

●チョーキング現象

防水面を触ったときに白い粉が付くと、チョーキング現象が発生している証拠です。この白い粉は古くなった塗膜が削れて粉状になったものです。これが劣化の初期段階です。

●退色の発生

経年劣化によって、トップコートの塗膜が退色していることや、摩耗して表面が荒れていることがあります。表面が劣化しているので、機能性を維持するためにも早めに塗り替えなどのメンテナンスを検討しましょう。

●ひび割れ・剥がれ

紫外線の影響や経年劣化により、トップコートの塗膜表面に剥がれ・ひび割れが起きる場合があります。

劣化がひどくなければ、塗り替えのみで対応することも可能です。しかし、下地や防水層の劣化が原因の可能性があります。定期的な点検をして早期発見、および適切な対応をしましょう。

●カビ・雑草の発生

湿気や雨水が溜まる場所や、日光があまり当たらない場所はカビや雑草が発生する可能性があります。

雑草は、防水層や下地の部分にまで根を張ることも可能です。その根を伝って漏水が発生する可能性もあるため、状況によっては自分で抜いて処理をせずに業者に相談しましょう。

 

塗り替え時期について

トップコートの塗り替え時期は5年に一度が目安です。

フッ素系トップコート以外の耐久年数は、環境により変わりますが、3〜5年程度のためです。

劣化してトップコートがない状態の防水層は、紫外線などの影響を受けやすくなり、劣化が早くなります。

雨漏りの発生や、建物の状態の悪化が懸念されるため、定期的に点検を行い、5年に一度を目安にトップコートを塗り替えましょう。

トップコートの塗り替えは、5年に一度が目安です。

注意点は、防水層の耐用年数とは異なる、ということです。防水層の耐用年数に合わせると、メンテナンスの間隔は10年前後になります。

トップコートや防水層の劣化は突然に起きるのではなく、雨や紫外線などの影響を受け徐々に進んでいきます。防水層の耐用年数の時期に合わせると、トップコートと耐用年数に差があるため、劣化の対処が遅れる可能性があります。

防水層の耐用年数は、工法にもよりますが10年〜15年ほどです。この耐用年数は、トップコートも含めて定期的なメンテナンスを行った状態での耐用年数ということです。

例)FRP防水の耐用年数は10〜15年程度で、6〜7年ごとにメンテナンスが必要です。

メンテナンスせずに10年以上経過している場合は、トップコートも防水層も劣化している可能性があります。一度点検することをおすすめします。認識を間違えないように注意しましょう。

まとめ

FRP防水と、トップコートについて解説しました。聞き慣れない単語などもあったかと思いますが、自分の家や、所有している建物を守るために重要な知識です。

FRP防水は、剥がれにくく、軽量であるなど漏水から家を守るためのメリットが多い工法です。しかし、コストが高いなどのデメリットもあるため、建物の状態や予算も考慮して家を大切に維持していきましょう。

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