失敗しない大規模修繕の見積もりの取り方とは?業者の選定ポイントや注意点を解説
大規模修繕は、建物の機能を回復し、劣化を未然に防ぐために欠かせない工事です。
しかし、建物全体の修繕を行う大規模な施工であるという性質上、施工に失敗すると簡単にやり直しができません。
そのため、慎重に計画を進めていき、適正な業者へ依頼することが何よりも大切です。
特に見積もりを取る段階で失敗するとリカバリーが困難になるため、見積もり依頼に注意が必要です。
そこで今回は、失敗しない大規模修繕の見積もりの取り方や、業者の選定ポイントや注意点についてご紹介いたします。
大規模修繕を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
大規模修繕の見積もりとは
大規模修繕の予算は、長期修繕計画を作成する際に調査を行った上で組まれています。
しかし、長期修繕計画を作成した時から実際に大規模修繕を実施するまでの間に、物価や施工費が変動している可能性が考えられます。
また、マンションが想定以上に劣化や不具合がある場合は、長期修繕計画で組んだ予算以上の費用がかかる可能性もあるでしょう。
そのため、大規模修繕を実施するにあたって、工事業者に一連の施工にかかる費用の見積もりをとり、正確な金額を把握しなければいけません。
近年では建築費の高騰もあるため、大規模修繕の見積もりは必要不可欠な工程です。
失敗しない大規模修繕の見積もりの取り方
大規模修繕をトラブルなく実施するためには、見積もり依頼を適正に行うことが欠かせません。
しかし、大規模修繕は頻繁に行うものではないため、見積もりの取り方について分からない方も多いでしょう。
ここでは、失敗しない大規模修繕の見積もりの取り方についてご紹介いたします。
1.業者の種類が3種類に分かれることを知っておく
大規模修繕工事に対応可能な業者は、大きく分けて「管理会社」「総合建設業者」「大規模修繕の専門会社」の3つに分かれています。
管理会社はマンションの状態を熟知しているため安心してお任せできますが、管理会社の規模によっては施工を依頼できない可能性があります。
ゼネコンとも呼ばれる総合建設業者は、会社の規模が大きいため人材や技術面で安定しているものの、施工は下請けや孫請けの業者が実施することも珍しくありません。
大規模修繕の専門会社は、大規模修繕に特化しているため柔軟な対応・きめ細やかなフォローに期待できるでしょう。
このように、業者にはいくつもの種類があるため、それぞれの長所・短所を知り自身の考えにマッチした業者に相談する必要があります。
2.3つの書類を事前に用意しておく
大規模修繕の見積もりを取る場合は、事前に「建物診断報告書」「修繕計画書」「修繕仕様書」の3つの書類を用意しておきましょう。
これらの書類が手元にあれば、業者との打ち合わせがスムーズに進みます。
大規模修繕の打ち合わせがスムーズに進まないと、工期の遅れにも繋がりかねないため、要注意です。
3.相見積もりを取る
見積もりを取る場合、複数の業者から相見積もりを取ることは必須です。
1社だけに相談した場合、見積書の内容(費用や施工内容など)が適正かの判断ができません。
複数の業者から見積もりを取っていれば、それぞれの見積書の比較検討ができるため、適正な判断で依頼先を検討できるでしょう。
4.消費税込みで見積もりを取る
大規模修繕の見積書は、消費税込みで作成してもらいましょう。
消費税が抜けている場合、数百万円単位で誤差が生じかねません。
この誤差によって大規模修繕の実施が困難になることも考えられるため、必ず消費税込みで見積もりを取ることを忘れてはいけません。
5.信頼性の高い専門家に相談する
大規模修繕の実施には、さまざまな疑問点や不安が生じることが多々あります。
その場合、信頼性の高い専門家に相談して一つひとつ解決していくことが大切です。
相談先として、「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」や「マンション管理センター」などの公益財団法人が挙げられます。
また、施工の依頼先が信頼できる大規模修繕の専門会社であれば、そこに相談するのも良いでしょう。
大規模修繕の見積もりを依頼する前に行うべき準備
大規模修繕の見積もりを依頼する場合、ただ漠然と業者に依頼するだけでは適正な見積書を作成できないといったことが起こるかもしれません。
大規模修繕は大がかりな工事であるため、業者に見積もり依頼を行うには事前の準備が欠かせません。
この準備が不十分であると、見積書の作成段階や施工のタイミングでトラブルが生じる可能性があります。
ここでは、大規模修繕の見積もりを依頼する前に行うべき準備についてご紹介いたします。
1.住人へのアンケート実施
マンションのような多くの方が生活を送る建物では、そこに住む方の協力がなければ大規模修繕の実施が困難です。
そのため、住人へのアンケートを実施して要望のヒアリングを必ず行いましょう。
ヒアリングを実施することにより当事者意識が芽生えるため、大規模修繕に対して協力的になる方が多くなります。
また、アンケートを実施せずに一方的に大規模修繕の実施を伝えてしまうと、反対意見が起こることが考えられます。
多くの方が住む建物における施工は、住人全員が関係者であることを忘れてはいけません。
2.建物診断の実施
建物診断とは、建物の劣化・不具合の発生状況や修繕箇所の把握を行うための調査です。
この調査を実施することにより、大規模修繕における施工の優先順位を付けられるようになります。
そのため、劣化や不具合が生じていない箇所の施工は、次回の大規模修繕に回すこともできるため、費用の節約に繋がります。
建物診断を実施せずに毎回建物全体の修繕を行っていると膨大な費用がかかるため、修繕積立金が不足する可能性が高まるでしょう。
3.基本計画書の作成
基本計画書とは、大規模修繕における工事項目や費用の概算を記載した書類のことを指します。
大規模修繕において、この基本計画書の作成は非常に重要なポイントです。
なぜなら、基本計画書に基づいた内容で施工が進められていくため、この書類に不備があると大規模修繕の見積金額にも影響が生じるからです。
大規模修繕をトラブルなく実施するためにも、信頼できる業者に相談して基本計画書の作成を行いましょう。
大規模修繕の見積もりを依頼する際に注意すべきポイント
大規模修繕をトラブルなく実施するために、見積もり依頼の段階で注意すべきポイントがいくつもあります。
ここでは、大規模修繕の見積もりを依頼する際に注意すべきポイントについてご紹介いたします。
1.建物診断を見積もり前に行う
先ほどもご紹介させていただいた建物診断は、見積もり前に行う必要があります。
なぜなら、建物診断を実施することで得られる情報(外観や共有部分などの劣化状況、防水性や塗装面の不具合)は、見積書の作成を行う上では欠かせないものだからです。
これらの情報が不足していると、修繕しなければいけない箇所が整理できないため、概算での見積書となってしまうでしょう。
その結果、修繕不足や必要のない施工を行ってしまう可能性が生じるのです。
2.工事の費用相場を理解しておく
大規模修繕における費用相場を理解しておくことは重要なポイントです。
相場を理解していれば、万一業者が提示してきた見積書の金額が相場と大きく異なっていた際に、違和感を覚えて確認できるようになるでしょう。
費用相場を知りたい場合は、複数の業者から相見積もりを取ることでおおよその金額を知れます。
また、近年ではインターネットでも相場金額が調べられるため、それらの情報に目を通しておくことも効果的な方法です。
3.工事の内容を統一しておく
相見積もりを取る場合、工事内容を統一していなければ比較検討ができません。
それぞれの業者に異なる施工内容・異なる仕様で相談していると、見積書の金額がそれぞれ異なるため、費用が適正かの判断ができないでしょう。
相見積もりを取る場合は、全ての業者に同じ内容で相談することをおすすめします。
4.見積書の内容が分かりづらい業者は避ける
見積書の記載方法は業者ごとに異なります。
そのため、中には「〇〇工事一式」といった大雑把な書き方や、内容を見てもどのような施工を行うのか分かりにくく記載しているケースがあります。
このような見積書は、行われる施工を正確に把握できないため、不要な施工が含まれている・必要な施工が含まれていないなどの問題が起こる可能性が高いです。
見積書の内容が分かりづらい業者はこのようなトラブルが起こることがあるため、避けるようにしましょう。
まとめ
東京都中央区に拠点を置く修工舎では、戸建て住宅からビル・マンション、オフィスビルなどの多種多様な建物における大規模修繕のご依頼を承っております。
弊社は創業以来、安全対策を万全に行い、お客様がご満足いただける高品質な施工を実施してまいりました。
調査やお見積もりは無料で承っているため、大規模修繕に対して漠然としたお考えであってもご相談をいただけましたら、お客様目線で丁寧にサポートいたします。
調査から施工、アフターサービスまで一貫して対応しているのが弊社の強みであるため、迅速・丁寧に施工を行います。
大規模修繕に対してお困りの方・お悩みの方は、まずは修工舎にご相談ください。