大規模修繕工事で外壁補修工事を行うべき理由とは?外壁補修の種類や注意点を解説
定期的に実施される大規模修繕工事は、施工の種類がいくつもある規模の大きい修繕工事です。
その中の1つである外壁補修工事は、外壁を常に万全な状態にして破損や劣化を未然に防ぐために欠かせないものです。
しかし、なぜ外壁補修工事を小まめに実施しなければいけないのか分からない方も多いでしょう。
その理由を知ることで、外壁補修工事に対する理解が深まり、前向きに検討できるようになります。
そこで今回は、大規模修繕工事で外壁補修工事を行う理由や、外壁補修の種類・注意点などについてご紹介いたします。
大規模修繕工事における外壁補修工事を検討されている方や具体的に外壁補修の種類・注意点を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
大規模修繕工事の外壁補修工事とは?
雨や紫外線、気温の変化などの要因により、年数が経過した外壁材は劣化が生じています。
この状態を放置していると、劣化した外壁材が剥落し、大きな事故が起こるリスクが高まるのです。
また、劣化した外壁材は防水性が低下し、雨水の浸入による雨漏りが生じることもあります。
大規模修繕工事における外壁補修工事は、このような事故やトラブルが起こらないように破損箇所や塗料の再塗装、その他の補修工事を行います。
施工の大きな目的は、防水性の性能維持や向上を図ることにより建物を保護し、安全を維持することです。
外壁の劣化を放置していると取り返しのつかないことになりかねないため、大規模修繕工事の際は劣化箇所に対して修繕を行いましょう。
大規模修繕工事の外壁補修工事を行うべき理由
大規模修繕工事を検討する場合、なぜ外壁補修工事を行わなければいけないのか疑問に感じる方がいらっしゃるかもしれません。
外壁補修工事を行うには相応の理由があるため、その理由を理解することで施工に対する理解が深まるでしょう。
ここでは、大規模修繕工事の外壁補修工事を行うべき理由についてご紹介いたします。
1.外壁の劣化を防ぐため
年数が経過した建物の外壁は、劣化が進んでいるため破損や不具合が生じていることがあります。
破損や不具合を放置していると、雨水の浸入による建物内部の劣化や、外壁材の劣化による剥落事故などのさまざまな問題が起こりかねません。
この場合、建物の耐久性が低下して将来的に住めなくなる・命に関わる大きな事故が起こるなどの大きなトラブルが生じる危険性があります。
このような事態を未然に防ぐためにも、大規模修繕工事において外壁補修工事を定期的に行い、外壁の劣化を防ぐことが欠かせません。
2.建物の資産価値を守るため
マンションなどの多くの入居者が生活を送る建物において、外壁補修工事を行わずに劣化を放置していると、雨漏りが発生して家具や家電の破損、漏電・感電などの問題が起こる可能性が高まります。
このようなトラブルが頻発した場合、退去者が続出することになるでしょう。
結果として、新規入居者を募集するために家賃を下げざるを得なくなり、建物の資産価値低下に繋がります。
また、空室が多くなった場合は、家賃収入が減るため、マンション建設の際の借り入れを返済することが難しくなるでしょう。
3.外観の美しさを維持するため
外壁塗装にひび割れや色褪せが生じていると、古びた印象や管理が行き届いていないと思われる場合があります。
マンションの場合、このような印象があると入居希望者が興味を持たなくなるため、新規入居者の獲得が難しくなるかもしれません。
外観の美しさを維持することは入居率に直結する問題であるため、定期的に施工を行い常に美しい外観を維持することが欠かせません。
大規模修繕工事の外壁補修工事の費用相場
大規模修繕において外壁塗装を実施する場合、使用する塗料によって金額が大きく変動します。
例えば、アクリル塗料であれば1㎡あたり1,400円から1,600円、ウレタン塗料であれば1,600円から2,400円です。
また、シリコン塗料であれば1㎡あたり2,200円から3,000円、フッ素塗料は3,600円から4,600円といったように、塗料のグレードが上がればそれに伴い金額も高額になっていきます。
高いグレードの塗料であれば耐用年数が長く、性能も良いため建物を長期間保護する目的としては非常に適しています。
塗料を選択する場合、費用だけではなく性能も加味して費用対効果を意識しましょう。
外壁塗装が劣化する原因
外壁塗装に劣化が生じる場合、いくつもの原因が考えられます。
その中でも代表的な要因は、湿気と紫外線、酸素・二酸化炭素です。
ここでは、外壁塗装が劣化する原因について詳しくご紹介いたします。
1.湿気
外壁塗装は、湿度が高く結露しやすい箇所において劣化が生じやすいといった特徴があります。
特に、太陽の光が当たりにくい北側の外壁は、湿気による被害が生じやすいため注意が必要です。
湿気が溜まることにより、外壁にカビが発生することがあります。
カビが発生することで塗装の色褪せや剥がれなどの問題が生じることとなります。
さらに、カビによる健康被害が生じるリスクもあるため、高齢者や小さいお子様がいる家庭では特に注意しなければいけません。
塗装が黒ずんでいるなどの異変があらわれたら、すぐに業者に相談しましょう。
2.紫外線
紫外線に長く晒されていることで、塗装に劣化が生じることとなります。
劣化が生じた箇所は建物を保護する機能も弱くなるため、そこから雨水の浸入などの問題が起こるリスクが非常に高まります。
さらに、色褪せと塗装の剥がれが生じるため、美観が損なわれてしまう点にも注意が必要です。
紫外線を防ぐ手段はないため、紫外線に強い塗料を選択したり、小まめにメンテナンスを行ったりするなどの対策が欠かせません。
紫外線に強い塗料は業者に相談して、適切なものを選択するようにしましょう。
3.酸素・二酸化炭素
空気中に含まれる酸素や二酸化炭素も、外壁塗装を劣化させる原因の1つです。
酸素や二酸化炭素により、塗装に酸化が生じることとなります。
その結果、塗装の劣化を進めるため、色褪せや剥がれなどのトラブルを引き起こすのです。
酸素や二酸化炭素は、塗装だけではなくコンクリート箇所を劣化させることでも知られています。
コンクリートは本来アルカリ性ですが、酸素や二酸化炭素によって中性や酸性に性質を変えられてしまうことも起こるのです。
大規模修繕で外壁補修が必要な劣化状況
建物は年数の経過によってさまざまな劣化サインがあらわれるため、大規模修繕においてそのサインを見逃さずに修繕工事を行うことが欠かせません。
ここでは、大規模修繕で外壁補修が必要な劣化状況についてご紹介いたします。
1.色褪せ
外壁塗装の劣化の初期症状として、色褪せが挙げられます。
色褪せが生じることで、建物の外観が古びた印象になってしまいます。
また、塗装箇所の防水性が低下しているサインでもあるため、放置していると雨水が建物内部に浸入するといった問題にもなりかねません。
色褪せが起こっているからといってすぐに大きな問題になりませんが、その状態を放置していると症状が次第に悪化していきます。
そのため、色褪せが発生した時点で外壁塗装を検討するのが最適なタイミングです。
2.チョーキングの発生
建物を触れた際に、チョークのような白い粉が付着することをチョーキングと言います。
この症状は、主に紫外線によって塗料に含まれる合成樹脂に分解・劣化が生じ、粉化して表面に出ることで生じる現象です。
チョーキングが生じている塗装は、すでに雨風や紫外線から建物を保護する機能が失われています。
このままの状態で放置していると、雨水が建物の内部に浸入する・外壁材が急速に劣化するなどの問題を引き起こしかねません。
外壁を触れた際に、白い粉が付着した場合は早急に修繕工事を検討することをおすすめします。
3.躯体表面のクラック
躯体表面にクラック(ひび割れ)が生じている場合、早急に補修工事を行わなければいけません。
クラックの幅が0.3mm未満であれば防水上の問題がほぼないため、塗装工事のみで済みます。
しかし、0.3mm以上のクラックの場合は、破損箇所が裏側まで貫通している可能性が高く、水の浸入経路ができています。
この状態のまま放置していると、雨水が建物内部に浸入するため雨漏りなどの大きな問題を引き起こしかねません。
4.塗装の剥がれ
塗装に剥がれが生じている箇所は、建物を雨水や紫外線から守るための機能が働いていません。
このような箇所に雨水が降り注ぐと、次第に建物内部に雨水が入り込み、建物の劣化を進めてしまうでしょう。
塗装は狭い範囲から剥がれはじめ、次第にその範囲が広がっていきます。
また、塗装が膨れた箇所が割れて剥がれも起こり得ます。
塗装の膨れや剥がれなどの異常を発見した場合は、放置せずに早急に補修の検討をしましょう。
5.鉄部の錆び
鉄部に錆が生じていると、錆によって怪我をする可能性があります。
また、錆を放置していると腐食が生じるため、鉄部の耐久性が大幅に低下することになるでしょう。
そのため、手すりが錆に侵食されている場合、少しの力で手すりが破損して転落するなどの事故が起こりかねません。
また、外階段本体に錆や腐食が生じていると、崩落する危険性が考えられます。
錆は鉄部の耐久性を大幅に低下させるため、命に関わる事故を招きかねません。
他にも、錆は次第に範囲が広がっていくため、僅かな錆であっても早急に対処することが重要です。
大規模修繕工事の外壁塗装の種類
外壁塗装と一口に言っても、使用する塗料によって仕上がりが大きく異なります。
塗料ごとに特徴がそれぞれ異なるため、施工を検討する際に特徴を知っておくことが大切です。
ここでは、大規模修繕工事の外壁塗装の種類についてご紹介いたします。
1.アクリル塗装
アクリル塗料は、30年ほど前に多くの建物で採用されることが多かった塗料です。
他の塗料に比べて安価で施工できたり、付着力が強いため重ね塗りがしやすかったりなどの特徴があります。
また、発色が良くカラーバリエーションが豊富であるため、幅広い箇所に採用できる点も魅力的です。
ただし、紫外線に弱くひび割れが生じやすいなどの弱点があり、耐用年数は5年から7年と短いことがデメリットになります。
扱いやすい塗料であるため、現在ではDIY塗料として人気が高い塗料です。
2.ウレタン塗装
ウレタン樹脂を主原料とするウレタン塗料は、柔軟性や塗装箇所との密着度が高いといった特徴のある塗料です。
アクリル塗料に次いで安価で施工できたり、塗装面が艶のある美しい仕上がりになったりなどの魅力があるため、高い人気を誇っています。
この塗料はアクリル塗料と同様に扱いやすいため、DIYで用いられることが多々あります。
しかし、耐用年数が8年から10年と比較的短いため、外壁塗装で採用する場合は再塗装までのサイクルが短くなる点に注意が必要です。
3.シリコン塗装
シリコン塗料は、近年多くの建物で採用されている人気の高い塗料です。
耐熱性・耐水性・耐候性のいずれにも優れており、汚れが付きにくいなどの魅力があります。
また、人気の高いシリコン塗料は商品のラインナップが豊富であるため、希望に合致した商品を見つけやすい点も魅力の1つです。
耐用年数は10年から15年と比較的長持ちし、大規模修繕のサイクルにもマッチするという特徴があります。
ただし、他の塗料に比べてひび割れが起きやすいため、温度・水分で伸縮する素材への塗装に不向きである点には注意が必要です。
4.フッ素塗装
他の塗料に比べると高価ではあるものの、高い耐久性や耐候性を誇るのがフッ素塗料です。
炭素とフッ素の結合が強固であるフッ素樹脂の性質により、紫外線で破壊されにくいため、色褪せや劣化の進行を抑えられるといった特徴があります。
そのため、耐用年数は15年から20年と非常に長持ちします。
一方で、金額が他のどの塗料よりも高価であるため、費用対効果があるかを冷静に判断しなければいけません。
大規模修繕工事の外壁塗装における一般的な流れ
大規模修繕工事における塗装工事は、外壁塗装や鉄部塗装などの種類があります。
それぞれの塗装工事は作業の進め方が異なるため、事前に把握しておくと役立つでしょう。
ここでは、大規模修繕工事における塗装工事の流れについてご紹介いたします。
1.外壁塗装の場合
外壁塗装を実施する場合、最初に行われるのは養生の工程です。
この工程は、塗料が塗装箇所以外に付着しないようにするためのものであり、養生を丁寧に行わなければきれいに仕上がりません。
養生が済んだら、次は塗装の実施です。
施工箇所に対して、接着剤の役割を担っているシーラーやプライマーなどを塗布し、下地と塗料の密着度を高めるための準備を行います。
この工程を下塗りと言います。
下塗り材の乾燥後、次は中塗りの工程です。
中塗り用塗料をムラなく塗布し、乾燥させます。
最後に上塗りの工程として、塗料を塗布してきれいに仕上げます。
上塗り材が乾燥し、養生の撤去や周辺の清掃・片付けを行って施工完了です。
2.鉄部塗装工事の場合
鉄骨階段や手すりなどの鉄部に対して塗装を行う場合は、外壁と異なる手順で作業を進めていきます。
最初に行うのは、ケレン(錆落とし)です。
鉄部塗装を行うにあたり、錆が付着した状態だと塗装後すぐに剥がれしまう可能性があります。
そのため、サンダーなどの機器を用いて発生している錆を丁寧に落としていかなければいけません。
錆を落としたら、次は下塗りの工程です。
鉄部塗装における下塗りは、錆止め兼接着剤の役割を担っている塗料を塗布していきます。
また、下塗り塗料の乾燥後は中塗り・上塗りの流れで作業を進めていきます。
上塗り塗料が乾燥すれば、鉄部塗装工事の作業が完了です。
大規模修繕工事の外壁補修を依頼する際の注意点
大規模修繕工事において外壁補修を業者に依頼する場合、注意点がいくつもあります。
注意点を知らずに施工を進めてしまうと、大きなトラブルに発展してしまうかもしれません。
ここでは、大規模修繕工事の外壁補修を依頼する際の注意点について、ご紹介いたします。
1.塗装工事中は臭いが発生する
塗装工事の実施中は下塗り材や塗料からシンナー臭が発生するため、注意が必要です。
この臭いは窓を閉めていればある程度防ぐことができますが、それでも多少は室内に臭いが侵入してくることがあります。
外部の解放された場所で施工が行われているため、基本的に人体に大きな影響はないとされています。
しかし、場合によっては吐き気・めまいなどの症状が見られる場合や、人体に影響がなくても生活を送る上で不快感を与える可能性があるため、クレームが発生するかもしれません。
クレームを未然に防ぐためにも、施工前に入居者・周辺にお住いの方々への施工説明を行う必要があります。
2.事前に長期修繕計画・修繕積立金を見直す
大規模修繕工事を実施する際は、資金が不足して必要な施工を行えないといったトラブルが起こる可能性があります。
このようなトラブルが発生することを事前に把握していれば、追加徴収や施工計画の見直しを行うなどの対策を講じることが可能です。
しかし、施工直前に判明した場合は手の打ちようがないため、大きな問題に発展するかもしれません。
このような事態を未然に防ぐためにも、事前に長期修繕計画・修繕積立金の見直しを行うことが大切になります。
3.施工業者を慎重に選ぶ
施工業者を慎重に選定することは、工事を成功させるために非常に大切なポイントです。
なぜなら、一部の施工業者の中には悪徳業者が潜んでおり、仮に悪徳業者に依頼すると法外な金額を請求される可能性があるからです。
また、低品質な施工により、施工後に不具合が生じるといったことも考えられるでしょう。
施工業者を選ぶ場合は、施工実績が豊富である・アフターサービスが充実している・信頼できる業者である、などの条件を満たしていることが必須となります。
塗装工事業者は数多く存在しているため、その中から選定するのは非常に難しいでしょう。
しかし、施工の仕上がりは業者の技術・実績に左右されるといっても過言ではないため、必ず複数業者に見積もりを依頼し、比較検討をしながら慎重に決定しましょう。
まとめ
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施工の際は豊富な知識や資格を保有するベテランスタッフが、高品質な施工をご提供いたします。
大規模修繕工事や外壁補修工事をご検討中の際は、ぜひ修工舎にご相談ください。