タワーマンションの大規模修繕工事が難しい理由一覧!成功させるポイントも解説
都心部を中心に近年増加しているタワーマンションですが、将来的に大規模修繕を検討しなければいけないタイミングが訪れます。
しかし、タワーマンションにおける大規模修繕は施工の難易度が高いため、場合によっては大規模修繕を行えない場合があるのです。
タワーマンションであっても大規模修繕を行わなければ劣化が進んでいくため、早い段階で準備を進めておく必要があります。
そのためにも、タワーマンションの大規模修繕が難しい理由を知り、対策を講じておくことが大切です。
そこで今回は、タワーマンションの大規模修繕工事が難しい理由や施工を成功させるためのポイントについて詳しくご紹介いたします。
タワーマンションの大規模修繕工事とは
タワーマンションの大規模修繕は、大きく分けて塗装工事・防水工事・修繕工事の3つの施工を行う必要があります。
塗装工事は建物の美観を保つために欠かせない施工ですが、それ以上に建物を保護する役割を担っています。
塗装が剝がれているとそこからサビや劣化が生じるため、塗装を塗り直さなければいけません。
また、防水工事は建物に雨水が入り込むことを防ぐのに欠かせない工事です。
防水工事が不十分であると、雨漏りや建物本体の劣化を引き起こすでしょう。
これらに加えて、年数が経過した建物は躯体の劣化が生じていることがあるため、その修繕工事も欠かせません。
建物の価値を損なわないためにも、大規模修繕工事でこれらの施工を行う必要があるのです。
タワーマンションの大規模修繕が難しい理由一覧
タワーマンションは他の建物と異なり、大規模修繕の難易度が高いことで知られています。
これは、タワーマンションが他の建物とは異なる特徴を持っていることが原因です。
ここでは、それらの理由について詳しく解説いたします。
合意形成を取りづらい
タワーマンションは戸数規模が多く、物件によっては1,000戸を超えるケースも珍しくありません。
さらに、居住目的の方と投資目的で購入した方がいるため、それぞれで大規模修繕に対する考え方が大きく異なります。
また、入居者によって価値観が異なる場合もあるでしょう。
このように、タワーマンションでは環境や状況が異なるさまざまな方が入居しているため、立場や考え方が一致することがなかなかありません。
このような事情により、合意形成が取りづらいため、大規模修繕に向けて計画を進めにくいといった問題が生じるのです。
工事費用が高くなりやすい
建物の規模が大きいことに加えて、足場が組めない高層階ではゴンドラを用いた作業が必要となるため、工事費用が割高になります。
さらに、エレベーターをはじめとした各設備が特注といったケースもあり、これも工事費用が上がる要因の1つです。
また、規模が大きい分工期が長期化するため、より工事費用が割高になります。
これに加えて、タワーマンションにおける大規模修繕に対応できる業者は少なく、新築時の業者に依頼するケースが多いです。
この場合には、最終的に施工業者(ゼネコン)の子会社が施工を請け負うことも多く、その分費用が割高になります。
このように、建物の規模や高さがマンションやビルとはさらに異なっているため、多くの作業において従来の大規模修繕によりも高くなりがちなのです。
修繕積立金が不足しやすい
他の建物よりも設備の仕様や施工規模が大きく異なるタワーマンションの大規模修繕は、当初の見積もりが甘く修繕積立金が不足するといったことが起こり得ます。
さらに、物価が上昇した場合、施工規模が大きいタワーマンションでの工事費用が影響を多く受けてしまうため、当初の長期修繕計画では対応できなくなるのです。
修繕積立金が不足した場合、追加徴収などの対策を行わなければいけません。
しかし、その場合は住民の反発が起こることが多々あります。
これらの要因により、費用が回収できない可能性が高く、大規模修繕が実施できなくなってしまうのです。
階層によって設備の重要性が変わる
階層によって設備の重要性が変わる点も、タワーマンションの大規模修繕が難しい理由の1つです。
例えば、高層階の方であればエレベーターは何よりも大切ですが、低層階の方にとってエレベーターは優先度が低い傾向にあります。
他にも、フィットネスルームをはじめとした特殊な施設が併設されている場合、利用する方が限定されていることがあります。
また、階層ごとに利用されることが多い施設、利用が少ない施設が分かれてしまうため、尚更価値観に大きな差が生じてしまいがちです。
これ以外にもさまざまな点において、高層階と低層階での重要性が異なるため、意見がなかなかまとまらないのです。
工事の難易度が高い
タワーマンションにおける大規模修繕は、工事例が少なくノウハウや工法が確立されていないといった問題を抱えています。
これは、建物の大規模修繕は新築工事を請け負った業者が手がけることが多く、一部の施工業者に依頼が集中するためノウハウや工法が限定的になっていることが原因です。
また、タワーマンションは他の建物よりも高く設計されているため、高層階における風対策やその他特殊な作業が発生します。
このような理由により、タワーマンションは他の建物よりも工事の難易度が高く、大規模修繕への取り組みが難しいのが現状です。
タワーマンションの大規模修繕工事を成功させるポイント
タワーマンションにおける大規模修繕工事の難易度が高い理由について、先ほどご紹介いたしました。
しかし、難易度が高いとしてもタワーマンションは建物の劣化が進み、資産価値が低下するため適切なタイミングで施工を行わなければいけません。
そこで、大規模修繕工事を成功させるためのポイントを押さえた計画の進め方を行うことが必要になります。
ここでは、タワーマンションの大規模修繕工事を成功させるポイントについてご紹介いたします。
修繕計画を早い段階でしっかりと考える
大規模修繕工事がうまくいかない要因の1つに、修繕積立金の不足が挙げられます。
この問題の発生を未然に防ぐためにも、修繕計画を早い段階で考えていくことが欠かせません。
ただし、ただ修繕計画を組むだけではなく、その後も定期的に計画の見直しを行い、状況に応じて計画の修正を行っていくことも大切です。
物価の高騰など事前に予測することが困難なトラブルが生じることが起こり得るため、小まめに計画を見直すことでトラブルを回避できるでしょう。
修繕計画を組み立てる場合には、タワーマンションにおける大規模修繕の経験が豊富な業者に相談することをおすすめします。
住人からの理解を取る行動をする
大規模修繕工事において、住民の方々からの理解を得ることは最も重要なことです。
そのためにも、早い段階で修繕計画を基に説明を定期的に実施するなどの行動が欠かせません。
このように早い段階で行動を起こしていれば、住民の方々の維持管理意識が高まるため、理解不足によって大規模修繕工事を実施できないといった事態を回避できるでしょう。
また、修繕積立金不足が起こった際にも、理解を得られていれば値上げ・追加徴収にも同意してくれる可能性が高まるかもしれません。
使用機会の少ない設備を廃止する
使用機会が少ない設備を廃止するのも、タワーマンションの維持には欠かせない考え方です。
新築時には需要があると思って設置したものの、実際には利用者が少なくて維持管理だけに膨大な費用が発生する設備は少なくありません。
このような設備を廃止するだけでも、住民間での意見の不一致や、大規模修繕工事におけるコスト削減につながるでしょう。
プロの施工会社に相談する
タワーマンションにおける大規模修繕工事は、他の建物とは異なる作業の進め方をしなければいけないため、修繕計画の組み立ても施工の実施もどちらも難易度が非常に高いです。
そのため、タワーマンションにおける大規模修繕に対応できるプロの施工業者に相談することをおすすめします。
東京都中央区に拠点を置く修工舎では、タワーマンションにおける大規模修繕工事のご依頼を承っております。
弊社には建設業界16年以上の代表を筆頭に、豊富な知識と経験を有するベテランスタッフが多数在籍しているため、最適な施工の実施が可能です。
お客様のご予算やご要望、建物の状態に応じたご提案を常に行っているため、最適な施工を実施いたします。
調査やお見積もりは無料で承っているため、大規模修繕工事をご検討の際にはまずはご相談ください。
タワーマンションの大規模修繕工事に関するFAQ
タワーマンションの大規模修繕を行うにあたって、さまざまな点において分からないことがある方もいらっしゃるでしょう。
弊社にも、さまざまな方からタワーマンションにおける大規模修正に関するお問い合わせをいただくことがあります。
ここでは、タワーマンションの大規模修繕工事に関するお問い合わせの中から、最も多いものをご紹介いたします。
マンションの大規模修繕の周期はどれくらい?
国土交通省の長期修繕ガイドラインにおいて、マンションの大規模修繕の周期は12年とされています。
実際に、防水工事や塗装工事の寿命はおおよそ10年前後となっており、12年経過すれば劣化が生じることが多々あります。
そのため、多くのマンションでは12年を目途に大規模修繕工事を実施しているのです。
ただし、近年では技術力や材料品質の向上に伴い、18年周期で大規模修繕工事を実施しているケースもあります。
建物の状況によって考え方が異なるため、タワーマンションで大規模修繕工事を検討する際には、プロの施工業者に相談して決めることをおすすめします。
マンションの大規模修繕にはトラブルが多いって本当?
マンションの大規模修繕は、対応を誤るとトラブルが発生する可能性があります。
起こり得るトラブルとしては、先ほどもご紹介させていただいた修繕積立金の不足や住民の方からの反発などです。
他にも、近隣の方からのクレームが生じることもあります。
これは工事を実施する前に、施工業者が近隣の方に対して工事の説明が不足していることが原因として挙げられます。
また、大規模修繕工事を実施している最中に空き巣の被害が発生することもトラブルの1つです。
工事中は不特定多数の方が敷地内に出入りするため、それに乗じて不審者が侵入するケースが少なからずあります。
空き巣の発生を防ぐためには、施工業者による防犯対策の徹底や住民の方への注意の呼びかけが効果的です。
それぞれのトラブルは施工業者が注意を徹底していれば未然に防げるため、これらの対応に慣れた施工業者にお任せしましょう。
マンションの大規模修繕にはどれくらいの費用がかかる?
国土交通省が発表しているデータによると、1回目の大規模修繕工事を行う場合には、300戸以下のマンションであればおよそ2億4千万円前後となります。
ただし、300戸以上の大型の物件になった場合には、費用が10億円前後と高額になる点には注意が必要です。
これは規模が大きければ施工範囲が広がることや、高層階における修繕工事の安全対策がより必要になるからです。
まとめ
タワーマンションにおける大規模修繕工事を実施するためには、さまざまな課題を乗り越えていかなければいけません。
修工舎では、タワーマンションをはじめとした多くの建物で修繕工事を行ってきた実績がございます。
弊社は無理な営業を一切行わず、お客様にとって最適なご提案を常に行っております。
お客様目線でサービスのご提供を行っているため、二人三脚で大規模修繕工事の計画を進めることが可能です。
調査から施工、アフターサービスまで一貫して行っており、施工管理や保証制度も万全です。
東京都だけではなく埼玉県や千葉県、茨城県の一部エリアなど幅広いエリアでご依頼を承っております。
タワーマンションにおける大規模修繕工事をご検討の際には、修工舎にお任せください。