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大規模修繕の定義とは?大規模修繕が必要な理由や主な流れも解説

修繕工事

建物は定期的に大規模修繕を行わなければいけないと言われていますが、そもそも大規模修繕はどのような工事なのか分からないという方が多いのではないでしょうか。

また、大規模修繕を行わなければならない理由について、気になる方もいらっしゃるでしょう。

大規模修繕のことを知り、どのような流れで計画を進めていくのかを把握することで、必要となった際に具体的に検討できるようになります。

そこで今回は、大規模修繕の定義や必要性、施工の主な流れなどについてご紹介いたします。

大規模修繕の定義

大規模修繕は、国土交通省と建築基準法のそれぞれで定義内容が異なります。

それぞれについて詳しく知ることで、大規模修繕に関する理解が深められるでしょう。

ここでは、大規模修繕の定義についてご紹介いたします。

1.国土交通省による定義

国土交通省が作成した長期修繕計画ガイドラインにおいて、大規模修繕は建物の快適な居住環境の確保・資産価値を維持するための修繕工事、もしくは工事内容が大規模・工事費が高額・長期の工事期間となる建物及び設備の性能向上を図る改修工事と定義づけられております。

長期修繕計画ガイドラインにおいては、大規模修繕の内容や工事箇所など多くの情報が掲載されているため、事前に確認しておくことをおすすめします。

2.建築基準法による定義

建築基準法において、大規模修繕は修繕する建築物のうち主要構造部の1種以上を過半(1/2以上)にわたり修繕を行うことと定義されています。

主要構造部とは具体的に、壁・柱・床・梁・屋根・階段などのことです。

国土交通省の定義とは少しニュアンスが異なっているため、注意が必要です。

建築基準法とは?

建築基準法とは、建築の際の敷地や構造、設備や用途などに関する最低限の基準を定めた法律です。

この法律では、建物の安全性・衛生の確保を目的とした単体規定と、都市運営を計画的に行うための集団規定の2つの基準が定められています。

新築工事・大規模工事・その他建設工事全般に関わる法律であるため、施工の計画を組む場合には必ず関係します。

大規模修繕と他の概念の違い

修繕工事とは、経年劣化や外的要因により生じた不具合に対して、修理や交換などの処置を行うことで機能・性能を回復させる工事のことです。

大規模修繕はその名の通り、修繕工事がメインに行われます。

しかし、他にも改良工事や改修工事といった言葉もあるため、それぞれにどのような違いがあるのか気になる方も多いでしょう。

ここでは、それぞれの施工内容についてご紹介いたします。

1.「改良」との違い

改良工事とは、新築時よりも建物本体や設備の機能・性能を向上させることで、建物の資産価値を高めることを目的として行われる工事です。

施工内容は時代の変化やトレンドに左右されるため、さまざまな工事が対象となります。

例えば、少子高齢化に伴うバリアフリー化や環境に配慮した省エネ化などです。

これらの施工を行うことで建物の魅力は大幅に向上するでしょう。

建物に対する施工は、劣化した箇所の修繕だけではなく、建物をより良い状態にするための改良工事も必要になるのです。

2.「改修」との違い

修繕工事と改良工事を同時に行うことを改修工事と言います。

劣化が生じた箇所に対して修理するだけではなく、よりグレードを上げる改良工事を施すことで、効率的に建物の魅力を向上させられるのです。

修繕工事と改良工事を別のタイミングで行った場合、費用が余計にかかってしまうことがあります。

その際に、両方の工事を同時に行える改修工事を実施することで、費用を節約してお得に施工ができます。

大規模修繕が必要な理由

全ての建物において必要とされる大規模修繕ですが、必要性について疑問を持っている方もいらっしゃるでしょう。

大規模修繕を行う理由を知ることにより大規模修繕への理解が深まるため、より前向きに検討ができるようになるはずです。

ここでは、大規模修繕が必要な理由についてご紹介いたします。

1.建物の安全性を守るため

どれほど頑丈に設計した建物であっても、年数が経過することで劣化が生じます。

劣化を放置していると、劣化箇所から雨水が入り込んで雨漏りが発生することがあります。

雨漏りによって電気設備が濡れた場合、感電や漏電による火災といった命に関わる大きな事故に繋がりかねません。

他にも、屋根材や外壁材が劣化によって剥がれ落ちた場合、居住者や歩行者に直撃する事故が起こる可能性も高まるでしょう。

これらの事故を未然に防ぐためにも、定期的に大規模修繕を実施して建物の安全性を守ることが欠かせません。

2.資産価値を維持するため

大規模修繕が必要な理由の1つに、建物の資産価値を守るためという理由が挙げられます。

先ほどもご紹介したように、劣化が生じた建物には雨漏りが生じることがあります。

アパートやマンションなどの入居者がいる建物の場合、雨漏りが発生すると快適さが失われてしまうため、退去者が続出する可能性が高いです。

結果として、建物の資産価値が下がり、家賃を下げなければいけない・入居者数が減って家賃収入が激減するなどの問題になりかねません。

さらに、外観にも劣化が生じていると、建物の見栄えが悪くなり、新規入居者が入りづらくなることにつながります。

建物を長く保有して資産として活用するのであれば、定期的な大規模修繕は何よりも大切です。

3.時代のニーズに応じるため

新築時は時代にマッチした設備を整えていたとしても、10年以上経過することで状況が大きく変わることがあります。

そこで、大規模修の際に設備をアップデートすることで時代のニーズに応じるといったことが必要になるのです。

最近ではバリアフリーの建物の人気が高いため、手すりの設置や段差の解消などを行うことで建物に付加価値を付けられるでしょう。

他にも10年前では当たり前でなかった設備が、近年では求められているといったケースは少なくありません。

時代のニーズにマッチした環境を構築することで、誰もが過ごしやすい建物となります。

大規模修繕にかかる費用

大規模修繕にかかる費用は、実施回数によって大きく変動します。

なぜなら、年数が経過した建物は劣化による破損や不具合が生じる箇所が増えるため、その分修繕箇所や施工の規模が大きくなっていくからです。

仮にマンションで施工を行った場合、1回目の施工ではおおよそ4,000万円から6,000万円の費用がかかることとなります。

2回目であれば6,000万円から8,000万円、3回目以上であれば6,000万円以上の費用が必要になるのです。

ただし、大規模修繕は多くの要因によって金額が変動することがあるため、今回ご紹介した金額はあくまでも目安として覚えておきましょう。

自身の物件における正確な大規模修繕の費用を知りたい場合には、信頼できる専門業者に相談することをおすすめします。

大規模修繕の主な流れ

大規模修繕は施工の規模が大きく工期も長いため、いくつかの手順を踏んで計画的に進めていかなければいけません。

施工を検討する場合、どの手順で進めていくのかを知っておくことで役立つはずです。

ここでは、マンションで大規模修繕を行う場合の主な流れをご紹介いたします。

1.修繕委員会を設立する

マンションにおいて大規模修繕を計画する場合、最初に行われるのは修繕委員会の設立です。

修繕委員会は主にマンションの居住者で構成される組織で、大規模修繕に関する業務を担当する役割を担っています。

マンション理事会と連携しながら計画を進めたり、大規模修繕において多くの調整が求められたりする立場であるため、マメな方や専門知識のある方がいれば心強いでしょう。

2.施工会社の決定

修繕委員会を設立したら、次は施工会社の選定です。

大規模修繕は、建物の安全性や資産価値に関わる重要な工事であるため、信頼できる施工会社に相談することが大切です。

信頼できる会社の条件はいくつかありますが、まずはホームページを確認しましょう。

ホームページにはその会社に関する情報が数多く掲載されているため、施工実績や会社の理念などを見て判断しましょう。

特に施工実績はその業者の技術力・対応力を知るために欠かせない情報であるため、ホームページに記載がなければ、直接問い合わせることをおすすめします。

施工会社を選定する場合、信頼できる施工会社1社に絞って相談するのも良いのですが、慎重に計画を進めるのであれば、複数業者に声をかけて相見積もりを取るようにしましょう。

大規模修繕は施工会社ごとに費用が異なるため、相見積もりを依頼することで最も予算にマッチした金額で施工を進められます。

3.居住者向け説明会を実施する

施工会社が決定し、ある程度の工事内容や期間が固まれば、次は居住者向け説明会の実施です。

マンションの大規模修繕は大がかりなものであるため、居住者の理解がなければ計画を進められません。

そのため、大規模修繕でどのような工事が行われるのか・騒音や異臭は問題ないのか・防犯対策の内容などを詳しく説明して理解を得る必要があります。

このような内容が疎かであると着工前に反対する方が続出し、計画が中止になることもあり得るので注意しましょう。

また、仮に反対意見が出なかったとしても、着工後に説明不足が原因でトラブルが起こるリスクは高まります。

大規模修繕における説明会は、無事に計画を進められるかを左右する大切な工程であるため、慎重かつ丁寧な対応を心がけましょう。

4.修繕工事をスタートする

居住者から理解を得られた場合、修繕工事を開始していきます。

施工を行うにあたって、足場や資材倉庫の設置、休憩室やトイレなどの設備の設置が行われます。

これらの工事を行うことで、大規模修繕を安全かつ効率的に進められるのです。

準備を終えたら、打ち合わせ通りに必要な箇所への修繕工事に取り組んでいきます。

状況に応じて居住者へ説明を行うなど、小まめなフォローは欠かせません。

必要な箇所への施工を全て行うことで、修繕工事が終了となります。

大規模修繕における注意点

大規模修繕の計画を進める場合、さまざまな要因によりトラブルが生じて思うように計画が進められなくなったというケースは珍しくありません。

このようなトラブルが生じた場合、工期が伸びることで費用の負担が大きくなるなどの問題が生じます。

そのため、大規模修繕の計画を進める場合は、注意点を押さえた慎重な対応が欠かせません。

ここでは、大規模修繕における注意点をいくつかご紹介いたします。

1.よくあるトラブルについて理解しておく

多くの方が住んでいるマンションでは、大規模修繕を行う際にトラブルが生じることがあります。

そのため、事前にどのようなトラブルが起こり得るのかを知っておくことが大切です。

また、大規模修繕工事におけるトラブルの中でも特に起こりがちなことは、修繕積立金不足です。

マンションでは毎月居住者から積立金を徴収し、それを大規模修繕に充てています。

しかし、大規模修繕に向けた長期計画が甘いことや物価・施工費用の高騰などの要因により、費用が足らずに大規模修繕を行えないといったことが起こり得るのです。

他にも、大規模修繕中の空き巣被害などが挙げられます。

工事スタッフを含めて不特定多数の方が出入りするようになるため、空き巣目的の不審者が入り込むことがあるのです。

他にもさまざまなトラブルが起こり得るため、よくあるトラブルについて理解を深めて事前に対策を講じておきましょう。

2.大規模修繕の周期を知っておく

大規模修繕はおおよそ12年周期で行わるため、このタイミングを知っておくことが大切です。

時期が早すぎると頻繁に施工を行うことになるため費用負担が大きくなり、時期が遅すぎると劣化による建物の不具合が生じるといったことが起こり得るのです。

建物の多くの設備は10年を目途に耐用年数を迎えるため、適切なタイミングで施工を検討することをおすすめします。

3.住民の理解を得る

大規模修繕は居住者の生活に支障をきたすことになるため、理解を得られないまま計画を進めてしまうと後々クレームにつながります。

また、中には大規模修繕の必要性を知らないため、反対をしているといったケースがあります。

このようなトラブルを未然に防ぐためにも、居住者向けの説明会を実施して意見を交換することが求められるのです。

仮に住民の方から意見やクレームがあれば真摯に受け止めて、都度対応する誠実な姿勢が非常に重要です。

まとめ

東京都中央区に拠点を置く修工舎は、戸建て住宅からビル・マンションなど幅広い建物において、大規模修繕をはじめとした各種施工を承っております。

弊社には熟練の技術や知識を有するスタッフが多数在籍しているため、ご要望を丁寧にヒアリングし、その上でお客様にとって最適なご提案を行っております。

そのため、大規模修繕の計画に不安を感じている方でも安心してご依頼いただくことが可能です。

弊社は建物の状態だけではなく周辺環境を意識したご提案を行っており、建物診断や劣化診断をいたしますので、さまざまな面でサポートさせていただきます。

大規模修繕をご検討中の際は、ぜひ修工舎にご相談ください。

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