シーリング工事はDIYで可能?DIYの手順やメリット、プロに任せた方がいい理由について徹底解説
外壁塗装やリフォームを検討したタイミングで、業者からシーリング工事の提案を受けたという経験をされた方は多いかもしれません。
シーリング工事は、建物を雨風から守るために欠かせない工事です。
しかし、言葉に聞き馴染みがないためどのような施工を行うのか分からず、本当に必要なものなのか疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
さらに施工には相応の費用が必要であるため、DIYを検討する方もいます。
そこで今回は、シーリング工事のDIYを検討されている方に向けて、施工の手順やメリット、注意点などについてご紹介させていただきます。
シーリング工事とは?
建物の外壁に貼られているサイディングやタイルなどの外壁材は、外壁材同士やサッシとの間に隙間が生じてしまいます。
隙間をそのままにしていると、そこから雨水の浸入やほこりなどの汚れが蓄積されます。
そして、この状態が悪化すると外壁材のひび割れなどの破損や、雨漏りの発生、建物の寿命を短くするなどの大きなトラブルの原因になりかねません。
外壁材の破損や雨漏りの補修には費用が掛かるため、このようなトラブルが頻発してしまうと、家計の大きな負担になるでしょう。
このようなトラブルを未然に防ぐために、外壁材同士やサッシとの間の隙間をシーリング材で充填して雨水や汚れを防ぐ工事をシーリング工事といいます。
日々紫外線や雨風に晒されているシーリング材は、寿命がおおよそ5年から10年とされています。
寿命を迎えるとひび割れや肉やせなどの劣化症状が表れ、本来の役割を果たせなくなるのです。
ご自宅を守るためにも、こまめなメンテナンスや施工を行い、シーリング材を万全な状態に維持しなければいけません。
DIYでシーリング工事をする手順
DIYでシーリング工事を行う場合、まずは道具を揃える必要があります。
施工に必要な道具は、カッター・シーリング材・コーキングガン・プライマー・ボンドブレーカー・マスキングテープ・ヘラです。
最初に行う作業は、劣化した既存のシーリング材の除去です。
施工済みのシーリング材の両サイドからカッターを差し込み、手で引っ張りながら少しずつ剥がしていきましょう。
この作業ではカッターを用いるため、怪我には注意しましょう。
シーリング材の除去が完了したら、ゴミや油分、水分を取り除き、きれいな状態にします。
次に、シーリング材が施工とは関係ない箇所に付着しないように、施工箇所周辺をマスキングテープで保護します。
これを怠ると、施工後にシーリング材がさまざまな場所に付着して見栄えが悪くなるので要注意です。
次はボンドブレーカーを貼る作業です。
ボンドブレーカーはシーリング材の3面接着を防ぎ、密着不良やひび割れを防ぐために欠かせません。
ボンドブレーカーを貼り終えたら、次はシーリングの効果を高めるために必要なプライマーの塗布です。
プライマーを塗布することでシーリング材と施工箇所の密着度を高められるため、忘れずに行いましょう。
ここまでの作業がすべて完了していれば、次はシーリング材の充填です。
シーリング材をコーキングガンに装着し、溝に沿って隙間ができないように注意して丁寧に注入します。
充填が完了したらヘラでシーリング材の表面をならし、形を整えます。
最後にマスキングテープを剥がして作業完了です。
シーリング工事をDIYでするメリット
前述のように、シーリング工事を行うにあたって道具を購入することや丁寧な作業が求められます。
そんなシーリング工事をDIYで行うとどのようなメリットがあるのか気になる方も多いでしょう。
ここでは、シーリング工事をDIYで行うメリットをご紹介させていただきます。
工事費用が抑えられる
既存のシーリング材を除去して新しいシーリング材を充填させる工法を打ち替え工事といいます。
この打ち替え工事を業者に依頼した場合、施工単価の相場目安は1㎡あたり900円から1200円です。
これに加えて諸費用や足場代が必要になるため、相応の費用が必要になるでしょう。
もしもシーリング工事をDIYで行えば施工に必要な費用は道具やシーリング材のみであるため、工事費用を抑えられるといったメリットがあります。
日程を自由に調整できる
シーリング工事を業者に依頼すると、見積もりのための現地確認や施工日程の調整などが必要です。
施工の日程は平日になるケースもあるため、日中仕事のある会社員の方であれば調整が難しいでしょう。
DIYでは自身で施工を行うため、このような日程に縛られることなく自由に施工ができます。
このように施工の日程を自由に調整できることも、DIYで行うメリットの1つです。
悪徳業者にだまされない
訪問業者や初めて依頼する業者の場合、悪徳業者への注意が必要です。
必要な施工が含まれていない安い金額の見積書で契約を結び、施工が始まった段階で追加契約を結ばせて高額な費用を請求されるケースがあります。
また、見積書は問題がないものの施工スキルが不足しており、施工後に不具合が生じるケースや、手抜き工事を行われるといったことも起こり得るのです。
このような悪徳業者に依頼してしまうと、施工のやり直しが必要になるため、膨大な出費になることもあります。
このような一部の悪徳業者を警戒するのであれば、DIYによって自身で施工をやった方がいいと考える方もいらっしゃいます。
DIYではなくプロに任せた方がいい理由
先ほどはシーリング工事をDIYで行うメリットについてご紹介させていただきました。
しかし、実際にDIYで施工を行うと予想以上の手間と時間がかかるケースや、さまざまなトラブルの原因になる場合があります。
ここでは、シーリング工事をDIYではなくプロに依頼するべき理由についてご紹介させていただきます。
高所作業で危険がともなう
ご自宅のシーリング工事を行う場合、高所での作業が必要となる可能性があります。
DIYにおける高所作業の場合、足場を組めないのでハシゴを用いる方が多いでしょう。
しかし、ハシゴで作業を行うとバランスを崩して転倒や転落といった事故が起こる危険性があるのです。
最悪の場合、命に関わる大きな怪我を負ってしまうかもしれません。
また、自身が転落しなくてもシーリング工事で使用する道具を高所から落とし、それが下にいる方に当たって怪我をするといったことも起こり得ます。
高所での作業はプロでなければ不慣れであり、そのような作業ではさまざまな危険が伴うため、プロに依頼すると安心です。
作業工程が多い
シーリング工事はただ施工箇所にシーリング材を充填するだけではありません。
前述のように多くの作業工程があります。
これらの作業工程を丁寧に行うと手間がかかるため、予想以上に時間が必要になるケースがあります。
さらに、作業工程が多いと必要な工程をし忘れてしまうかもしれません。
手間を削減し、手順に沿った施工を行うためにも、プロへ依頼することをオススメします。
仕上がりが建物に大きく影響する
シーリング材を充填する際に空気が入ってしまった場合や、シーリング材の厚みが均一でないなど、施工に問題があればその後に問題が生じる危険性があります。
さらに、シーリング材にはさまざまな種類があるため、施工箇所や施工環境に応じて適切なものを選択しなければ効果が発揮されないケースもあります。
このようにシーリング工事には技術力や専門知識が欠かせません。
不慣れな方がDIYで行った場合、仕上がりが充分なものでないため、建物を雨水や汚れから守れないといったことが起こり得ます。
結果として、自身でシーリング工事を行ったつもりでも雨水の浸入や汚れの蓄積により、建物に影響が出てしまうこともあるのです。
まとめ
今回は、シーリング工事におけるDIY事情についてご紹介させていただきました。
DIYで施工を行うとさまざまなメリットがある一方で、事故や施工不良などのデメリットがあります。
万が一DIYに失敗すると、やり直しや修繕工事が発生して余計に費用が掛かってしまうかもしれません。
このようなリスクを回避するためにも、シーリング工事が必要なタイミングで専門業者に相談することをオススメします。