一戸建ての防水工事の費用相場を解説!工事が必要な理由は?劣化症状は?
夢のマイホームである一戸建てを購入・建築した方の中には、年数が経過した段階で専門業者から防水工事を勧められた経験をお持ちの方は多いかもしれません。
建物に施された防水工事は、経年劣化に伴い効果が次第になくなっていきます。
そのため、適切なタイミングで防水工事を検討する必要があります。
しかし、防水工事にどれくらいの費用がかかるのかが分からなければ、前向きに検討するのも難しいでしょう。
また、そもそも防水工事が必要であるのかといったことも気になる方も多いかもしれません。
そこで今回は、一戸建ての防水工事の費用相場や必要性などについて詳しくご紹介いたします。
一戸建て防水工事の費用相場
一口に防水工事と言っても、その種類はさまざまあります。
そのため、それぞれの防水工事を施工した場合の費用相場を事前に知っておくことが大切です。
ここでは、各防水工事の費用相場についてご紹介いたします。
ウレタン防水
ウレタン防水は、一戸建てにおいて最も人気のある防水工事です。
この工法を採用した場合の費用相場は、1㎡あたり2,500円から7,000円前後となります。
ゴムシート防水
合成ゴム系のシートを使用するゴムシート防水は、一戸建てで採用されることが多々ある防水工事です。
費用相場は、1㎡あたり2,100円から7,500円です。
塩ビシート防水
ゴムシート防水と同様に塩ビシート防水も、一戸建てで多く採用されています。
費用相場もゴムシート防水と同様に、1㎡あたり2,100円から7,500円くらいとなります。
FRP防水
ショッピングモールの駐車場などにも施工されることがあるFRP防水は、一戸建てのベランダや屋上などで多く採用されています。
1㎡あたり4,000円から7,500円前後が費用相場です。
アスファルト防水
防水工事の中でも最も歴史のあるアスファルト防水は、現在でも多くの建物で採用されている人気の防水工事です。
一戸建てでアスファルト防水を施工した場合、費用相場は1㎡あたり5,500円から8,000円となります。
一戸建てで防水工事が必要な理由
常に外気に晒されている建物は、防水工事を行って雨風から保護しなければいけません。
なぜなら、外壁や屋根、屋上などの各箇所は雨風による劣化が生じやすいため、防水工事を行っていなければすぐに破損や不具合が生じるからです。
破損や不具合が発生した箇所や部材同士の隙間から、雨水が建物内部に浸入して雨漏りなどのトラブルを引き起こすといったことも起こり得るでしょう。
さらに、雨漏りによって建物全体に湿気が溜まると、湿った箇所からカビが発生して健康被害が生じることもあります。
他にも数多くの問題を引き起こすこととなり、最終的には建物の安全性に関わる大きな問題に発展しかねません。
このようなトラブルを未然に防ぐためにも、定期的に防水工事を行っていくことが大切なのです。
一戸建てで防水工事が必要となる劣化症状一覧
防水工事の寿命は、おおよそ10年から15年前後とされています。
そのため、10年周期で防水工事を行うことがベストなタイミングであるとされています。
しかし、一戸建ての環境やその他要因により、寿命を迎える前に劣化症状が表れる場合があるのです。
その場合、10年以上経過していなくても早急に防水工事の施工を検討しなければいけません。
しかし、劣化症状とはどのようなものなのか分からなければ、施工が必要だと判断することは難しいでしょう。
ここでは、一戸建てで防水工事が必要となる劣化症状をご紹介いたします。
雨漏り
雨漏りには、天井や壁に染みがある・水が滴ってくる・窓枠が濡れているなどのさまざまな症状があります。
どのような症状であっても、雨漏りが発生している時点で早急に修繕を行うことが必要不可欠です。
雨漏りが発生した場合、建物内部に雨水が入り込んでいるため、梁や柱などの建物を支える部材に腐食が生じるリスクが高まります。
腐食が生じた場合には建物の耐久性が大幅に下がるため、建物の寿命を縮める恐れがあります。
また、漏電による火災・感電、家具や家電の破損、カビの発生による健康被害など、多くのトラブルの原因になりかねません。
雨漏りは放置すればするほど症状が悪化するため、早急に対処することをおすすめします。
ひび割れ
ひび割れが発生している場合、防水層を保護するために表面に塗装されているトップコートにひび割れが生じていることが考えられます。
この状態のまま放置していると、ひび割れが広範囲に広がる・防水層にまで破損が広がるといった事態になりかねません。
また、発見した段階で症状が進んでおり、すでに防水層にまで破損が生じていることも考えられます。
トップコートだけの破損であれば塗り直しすることですぐに改善できますが、防水層にまで破損が広がっていると防水工事の施工を検討しなければいけません。
そのため、ひび割れを発見したら状況に関わらずすぐに専門業者に相談しましょう。
はがれ
防水層の劣化が進み、粘着力が低下した場合には表面のはがれが生じることがあります。
はがれた箇所は雨水が浸入しやすい状態となっているため、早めに防水工事を行う必要があります。
このままの状態を放置していると、はがれた箇所が広範囲になり、多くの雨水が建物内部に入り込むことになりかねません。
結果として、雨水を引き起こす可能性が高まるのです。
膨れ
下地に湿気が溜まっている状態で防水工事を行った場合、膨れが多発することがあります。
小さい膨れではあまり問題にはなりませんが、膨れが大きくなりすぎると亀裂が生じるため、防水層を破損させることになるのです。
亀裂が生じた場合、そこから雨水が入り込むため、雨漏りの原因になりかねません。
膨れている箇所を発見した場合、まずは専門業者に状態を確認してもらいましょう。
一戸建て住宅で行う防水工事の種類
一戸建てで採用されることのある防水工事には、それぞれ特徴があります。
施工を検討する場合、各防水工事の特徴を知った上で検討することが大切です。
ここでは、一戸建て住宅で行う防水工事の種類についてご紹介いたします。
ウレタン防水
ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を施工箇所に塗り重ねることで防水層を形成する工法です。
この工法で作業を進める場合、おおよそ4日から7日の工期となります。
ウレタン防水は液体状のウレタン樹脂を使用するため、複雑な形状や凹凸のある箇所でもきれいに施工できるといったメリットがあります。
また、継ぎ目がない仕上がりになるため、劣化症状の1つである剥がれが生じることがありません。
ゴムシート防水
合成ゴム製のシートを施工箇所に貼り付けることで防水層を形成する工法をゴムシート防水と言います。
ゴム製のシートは伸縮性に優れているため、高い耐久性に期待できるでしょう。
また、シートは既製品であるため仕上がりにムラが発生しない点も魅力的です。
ゴムシート防水の工期は、おおよそ3日から5日前後となります。
塩ビシート防水
塩ビシート防水は、塩化ビニル樹脂製のシートを貼り付けて施工を進める防水工事です。
この工法は、既製品のシートを使用するため広範囲を均一な品質で仕上げられるといったメリットがあります。
そのため、屋上やベランダなどで採用されることが多々あります。
また、下地を選ばずに施工できるため、下地の状態に関わらずシートを上から被せて防水層を形成できるといった強みがあるのです。
工期はゴムシート防水同様に、おおよそ3日から5日前後となります。
FRP防水
FRP(強化繊維プラスチック)を施工箇所に敷き、その上から樹脂を塗布して硬化させることで防水層を形成する工法のことをFRP防水と言います。
FRPが耐久性・防水性に優れた素材であるため、FRP防水によって高品質な防水工事を行えるといったメリットがあります。
さらに、塗膜の乾燥を待つ工程が少ないため、工期が1日から2日前後と短い点も大きな特徴です。
アスファルト防水
アスファルト防水は、合成繊維不織布に液体状に溶かしたアスファルト染み込ませたルーフィングシートを、施工箇所に重ね貼りすることで防水層を形成する防水工事です。
この工法は高い防水性・耐久性が非常に魅力的であり、他のどの防水工事よりも寿命が長いといった特徴があります。
また、熱工法・トーチ工法・常温工法など複数の工法があり、状況に応じて工法を選択できる点も強みです。
このような特徴のあるアスファルト防水を行った場合、工期は7日から10日前後となります。
一戸建て防水工事に対応する業者を選ぶ際のポイント
一戸建てで防水工事を検討する場合、依頼する業者選びは非常に重要な問題です。
業者選びを誤ると、施工中・施工後にトラブルに発展する可能性があるからです。
このようなトラブルを未然に防ぐためにも、コツを押さえた業者選びは欠かせません。
ここでは、一戸建て防水工事を依頼する業者選びのポイントについてご紹介いたします。
評判や実績に優れているか
業者を選ぶ際のポイントの1つに、評判や実績の有無があります。
防水工事は業者ごとに得手不得手があるため、技術力が不足している業者に施工をお任せした場合には施工不良が生じる可能性があります。
そのため、事前に評判や実績の有無を確認しておくことが大切です。
評判や実績が優れていれば、多くの現場で施工を行ってきたノウハウや技術力を有していると判断できるため、安心してお任せできるでしょう。
例えば、インターネット上の口コミサイトに評判が掲載されていることがあり、実際にその業者に施工を依頼した方の感想を見られることがあります。
また、業者のホームページには実績が掲載されていることがあるため、その確認も忘れずに行いましょう。
見積作成前に建物診断をしてくれるか
防水工事の計画を進める前に、建物診断をしてくれる業者であれば、安心して施工を依頼できるでしょう。
建物診断は調査員による目視・触診・機械調査などを行うことで建物の状態を確認する作業です。
この作業を行うことで劣化状況が把握できるため、正確な施工を進められます。
見積作成前にこのような対応を行ってくれる業者であれば、丁寧かつ慎重に計画を進めてくれるため、トラブルが起こるリスクが低いといえます。
保証があるか
防水工事を依頼する場合、保証の有無は業者選びのポイントの1つです。
保証がある業者ならば、万一施工不良が生じても迅速な対応に期待できるでしょう。
一方で、保証が不十分な業者であれば、このようなトラブルが発生しても対応してくれない可能性があるため注意が必要です。
保証は業者ごとに内容が異なるため、依頼前にどのような保証が設けられているのかを必ず確認しましょう。
一戸建て防水工事に関するFAQ3選
一戸建て住宅での防水工事を検討する方の中には、施工に関するさまざまな疑問をお持ちの方も多いと思います。
これらの疑問を解決しなければ、不安を抱えたまま施工を依頼することになるでしょう。
ここでは、一戸建て防水工事に関する疑問についてご紹介いたします。
防水工事の耐用年数はどれくらい?
防水工事の耐用年数は、施工する防水工事の種類によってそれぞれ異なります。
例えば、ウレタン防水であれば10年前後、ゴムシート防水・塩ビシート防水であれば12年から15年となります。
また、FRP防水は10年から15年、アスファルト防水は12年から20年前後です。
そして、防水工事は本来の耐久性に加えて日頃のメンテナンスによっても耐用年数が変動します。
防水工事を自分でやるのはダメ?
ウレタン防水やシート防水であれば、DIYで施工することが可能です。
ただし、専門知識や技術がない方が見様見真似で施工を進めた場合、施工不良が生じるリスクが高いでしょう。
場合によっては防水効果が発揮できずにやり直しになるといった可能性も起こり得ます。
防水工事は自分で施工すれば費用を抑えられますが、トラブルが生じるリスクが高まるものです。
そのため、専門業者に依頼することをおすすめします。
どれぐらいの時期に防水工事をすべきなの?
多くの防水工事は施工後10年のタイミングで劣化が生じることが多々あります。
そのため、10年を目途に施工を検討するケースが多いです。
ただし、10年を迎える前に劣化症状が表れた場合には、早急に防水工事を施工しなければいけないケースもあります。
まとめ
一戸建て住宅はメンテナンスを怠るとすぐに劣化が進み、さまざまな箇所で不具合が生じることが多々あります。
そのため、適切なタイミングで適切な工法を用いた防水工事を検討することが大切です。
今回は、一戸建て住宅における防水工事についてご紹介しましたが、より詳しい情報を知りたい場合には専門業者に相談することをおすすめします。
専門業者であればプロの立場から的確なアドバイスをしてくれるため、より具体的に防水工事を検討できるでしょう。
そのため、防水工事をご検討の際には、まずは信頼できる専門業者に相談しましょう。