「マンション共用部分のリフォームには莫大な費用がかかりそう…」
このような場合に検討したいのが、マンション共用部分リフォーム融資です。しかし、利用条件や申込み手順などがわからないという方も多いでしょう。
そこでこの記事では、マンション共用部分リフォーム融資についてわかりやすく解説します。
必要な書類なども解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
- マンション共用部分リフォーム融資とは何か
- マンション共用部分リフォーム融資の利用条件
- マンション共用部分リフォーム融資の申込み手順
マンション共用部分リフォーム融資とは

マンション共用部分リフォーム融資は、文字通りマンションの共用部分をリフォーム工事する際に活用できるローンのことです。
例えば、以下のような工事の費用は融資の対象となります。
- 管理組合が行う共用部分のリフォーム工事
- 耐震改修工事の費用 など
修繕工事の費用の大きさに悩んでいる方は、利用を検討したいリフォームローンです。
マンション共用部分リフォーム融資の特徴

マンション共用部分リフォーム融資の特徴は、以下のとおりです。今回は、管理組合申込みの場合の特徴を紹介します。
- 全期間固定金利
- 法人格の有無は問わない
- 担保が不要
- 融資金利が年0.2%引き下げられる条件あり
全期間固定金利なので、借入申込時点で返済額が決まり、返済計画が立てやすくなるというメリットがあります。
そのため、管理組合の合意形成もしやすくなるでしょう。
参照:住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資(管理組合申込み)」
マンション共用部分リフォーム融資の利用条件

マンション共用部分リフォーム融資の細かい利用条件を以下の項目別にチェックします。
- 利用できる管理組合
- 融資限度額と返済期間
- 金利と返済方法
- 融資の対象となる工事費
それぞれの詳細を見ていきましょう。
利用できる管理組合
融資の利用を受けるためには、以下の7項目を満たす必要があります。
No. | 条件 |
---|---|
1 | マンションの共用部分の工事を行うこと |
2 | a:管理規約で、管理組合の組合員、業務、役員、総会、理事会および会計に関する定めが決められていること b:総会の決議で、借入れの返済には修繕積立金を充当することなどが決議されていること c:決議を行う総会において、「商品概要説明書」「マンション共用部分リフォーム融資のご案内」「マンション共用部分リフォーム融資パンフレット」を議案書に添付して配付し、説明している。また、当該総会の議事録にその旨を記載すること |
3 | 管理規約において火災保険(積立保険を除く)、固定資産税等の税金の支払、管理費の補填等、管理費または組合費から支出すべき経費に修繕積立金を充当できる旨の定めがないこと |
4 | a:管理費と修繕積立金が区分して経理されていること b:修繕積立金が適正に保管されていること c:修繕積立金は1年以上定期的に積み立てられており、滞納割合が原則として10%以内であること |
5 | 管理者(代表者)及び借入申込書に記載のその他理事等(会計担当理事等)が、改良工事を行うマンションの区分所有者(自然人)の中から選任されていること |
6 | 毎月の返済額が毎月徴収する修繕積立金の額の80%以内になること |
7 | 反社会的勢力と関係がないこと |
かなり条件が細かいように見え、初めて見る方にとっては何を言っているのかよくわからないという項目もあるでしょう。
当てはまるかどうか判断に迷う場合は、業者などに相談してみるのがおすすめです。
融資限度額と返済期間
融資限度額は、融資対象となる工事費分借り入れ可能です。ただし、融資額は10万円単位で、最低金額は100万円からです。
補助金などの交付がある場合はその分の金額を除いて融資限度額が決定されます。
また、返済期間は原則1年以上10年以内です。耐震改修工事や浸水対策工事など特定の工事については返済期間の条件が20年以内まで延長されます。
金利と返済方法
金利ですが、返済期間が1年以上10年以内の場合は年0.4〜1%、返済期間が11年以上20年以内の場合は年0.72〜1.32%です。
細かくチェックしたい方は、住宅金融支援機構が公開している「マンション共用部分リフォーム融資 融資金利(管理組合申込み)について」を確認してみてください。
返済方法は2種類用意されています。
- 元利均等毎月払い
- 元金均等毎月払い
「マンション共用部分リフォーム融資 融資金利(管理組合申込み)について」に毎月の返済額の目安が載っているので、参考にしてみてください。
融資の対象となる工事費
融資の対象となる工事には、以下のようなものがあります。
種類 | 例 |
---|---|
外部工事 | ・外壁塗装、タイル貼り替え工事 ・塀の取り付け、補修工事 ・自転車置き場の設置、建て替え工事 など |
内部工事 | ・手すりの設置、塗装工事 ・エレベーターの設置工事 ・オートロックの設置工事 など |
ほかにも、省エネルギー対策工事やバルコニー補修などが融資の対象となります。
マンション共用部分リフォーム融資の申込み手順

ここで、マンション共用部分リフォーム融資の申込み手順を解説します。
今回は、管理組合申込の場合で、郵送とWeb申込サービスを利用したパターンの2種類を紹介します。
郵送の場合
郵送での申込みは、以下のような流れで進みます。
- マンションのあるエリアの住宅金融支援機構に事前相談に関する書類の送付
- 総会の決議等
- 融資の申込み
- 融資の決定(書類が全てそろってから2、3週間程度)
- 工事着工
- 本人確認の実施
- 工事完了届の提出
- 融資総額の決定(書類が全てそろってから2週間程度)
- 融資の契約(電子契約サービス)
- 融資金の受け取り
最終的な融資金の受け取りは、工事完了届を提出してから約1ヶ月半後です。
保証機関に支払う保証料分は融資金から差し引かれるので注意が必要です。
Web申込サービスの場合
Web申込サービスを利用した場合は、以下のような流れで進みます。
- マンションのあるエリアの住宅金融支援機構に事前相談に関する書類の送付
- 総会の決議等
- 管理者(代表者)のユーザーIDの登録
- 申込関係者(手続代行者、入力補助者)のIDの登録
- 借入申込み
- 融資の決定(書類が全てそろってから2、3週間程度)
- 工事着工
- 本人確認の実施
- 工事完了届の提出
- 融資総額の決定(書類が全てそろってから2週間程度)
- 融資の契約(電子契約サービス)
- 融資金の受け取り
郵送の場合とおおむね同じような流れでは進みますが、ユーザーID登録など、郵送の場合にはなかった作業が追加されます。
Web申込サービスは便利ですが、不安な場合は郵送での申込みを検討してもいいかもしれません。
マンション共用部分リフォーム融資に必要な書類

マンション共用部分リフォーム融資に必要な書類は、実はそれぞれのタイミングで異なります。例えば、事前相談の際に必要な書類は以下のとおりです。
- 事前相談(審査)申込書兼委任状兼個人情報の取扱いに関する同意書
- 申込内容別表
総会の決議で使用する資料は、以下のとおりです。
- 商品概要説明書
- 【マンション共用部分リフォーム融資】パンフレット
- マンション共用部分リフォーム融資のご案内(郵送でのお申込みの場合)
- マンション共用部分リフォーム融資のご案内(Web申込サービスでのお申込みの場合)
いずれかの資料を総会の議案書に添付して配布します。
また、申込みの際に必要な書類は以下のとおりです。
- 借入申込書添付書類一覧表
- 借入及び保証委託契約申込書
- 借入及び保証委託契約申込・別紙
- 申込内容別表
その他、工事完了届や、必要に応じて理事長変更届などが必要となります。状況に合わせて用意しましょう。
マンション共用部分のリフォームは修工舎に相談を

マンション共用部分リフォーム融資を使えば、たしかに負担は軽くなるかもしれません。
しかし、利用の条件が細かく、一見しただけではよくわからない場合もあります。
そこで、専門家への相談も検討してみてください。
私たち修工舎は、修繕工事や防水工事のプロフェッショナルであり、これまでに数多くの工事を請け負ってきました。
お客様の安心と安全のために全力を尽くすのが弊社の役目であり、お客様にとって最善の提案をいたします。
ただし、無理な営業はいたしません。なので、安心してご相談ください。
「とりあえずマンション共用部分リフォーム融資について聞いてみたい」「補助金や火災保険が適用できるか聞いてみたい」という場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
マンション共用部分リフォーム融資に関連するよくある質問

マンション共用部分リフォーム融資に関するよくある質問に回答します。
- マンション共用部分のリフォームの目安はいつですか?
- 住宅金融支援機構の高齢者向け返済特例制度とは何ですか?
- マンションの共用部分とはどこまでですか?
それぞれの回答を見ていきましょう。
- マンション共用部分のリフォームの目安はいつですか?
-
マンション共用部分のリフォームの目安は、以下のとおりです。
- 屋上防水:10年程度
- 外壁塗装:10年程度
- 鉄部塗装:3〜5年程度
- 設備改修:10〜30年程度
リフォーム時期の目安は施工箇所によって異なりますし、利用環境によっても差があります。
そのため、上記はあくまでも参考程度に留めておきましょう。実際は定期的にメンテナンスを行い、異変があればすぐに対応を検討してみてください。
- 住宅金融支援機構の高齢者向け返済特例制度とは何ですか?
-
高齢者向け返済特例制度は、借入申込時に満60歳以上の方が自分で住むためにマンション建て替えや住宅の建設などを行ったときに利用できる返済方法です。
亡くなるまでの間は利息のみの返済でよく、毎月の返済負担を軽減できるというメリットがあります。
- マンションの共用部分とはどこまでですか?
-
マンションの共用部分は、専有部分以外の全てです。
廊下や階段はもちろんですが、バルコニーや窓ガラスも共用部分に該当します。
一部共用部分かどうかわかりにくい箇所もあるので、混同しないように注意が必要です。
まとめ|マンション共用部分リフォーム融資も検討しよう

マンション共用部分リフォーム融資は、外壁塗装や自転車置き場の設置、エレベーターの設置など、共用部分のリフォームに活用できるローンです。
管理組合申込みの場合は、全期間固定金利なので返済計画が立てやすくなるというメリットがあります。
しかし、利用条件がやや複雑で、必要となる書類も多岐に渡ります。
そのため、融資を利用できるかどうか業者に相談するのも一つの手です。
詳しい業者であれば、丁寧にサポートしてくれるでしょう。
私たち修工舎も、火災保険の適用や補助金対応工事についての知識やノウハウは豊富です。修繕工事や防水工事などでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
\防水工事・塗装工事・修繕工事のお悩みは株式会社修工舎へご相談ください/