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大規模修繕工事の工事内容とは?工事の流れや成功させるポイントも解説

修繕工事

大規模修繕工事を業者から提案された経験をお持ちの方は多くいらっしゃるでしょう。

しかし、大規模修繕工事という名前は聞いたことがあるものの、それがどのような工事なのか具体的に分からない場合は、前向きに検討することが難しいかもしれません。

この工事には相応の費用と負担がかかるため、事前に準備をしつつ成功させるためのポイントを押さえた計画が必要になります。

また、工事を成功させるためには大規模修繕工事について、理解を深めておくことも大切です。

そこで今回は、大規模修繕工事の工事内容や流れ、成功させるためのポイントについてご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。

大規模修繕工事とは

大規模修繕工事とは、経年劣化によって生じた建物や設備の劣化・不具合の発生を防ぐために行われる工事です。

マンションやビル、戸建て住宅などの建物は、築年数が経過することで新築時に施した塗装工事・防水工事などの工事の機能が失われてしまいます。

この状態を放置していると、建物を雨風や紫外線から守ることができなくなるため、コンクリートの破損や雨漏りの発生、外壁材・屋根材の剥落などの問題が生じてしまうのです。

このような問題は、建物の寿命低下や命に関わる重大事故に繋がりかねないため、定期的に大規模修繕工事を行う必要があります。

大規模修繕工事によって常に万全の状態を保つことで、建物を安全に長く利用し続けられるようになるのです。

大規模修繕工事の工事内容

大規模修繕工事でどのような内容の工事が行われているのかを知ることで、大規模修繕工事をイメージしやすくなるでしょう。

また、工事内容を知っていれば施工を検討するタイミングで、業者とスムーズに打ち合わせができるようになります。

ここでは、大規模修繕工事の工事内容を具体的にご紹介いたします。

1.仮設工事

大規模修繕工事を行う場合、最初に行われる工程は仮設工事です。

仮設工事は大きく分けて直接仮設工事と共通仮設工事の2種類があります。

直接仮設工事は、大規模修繕を行うにあたって必要不可欠である足場の設置を行う作業です。

足場は高所作業を行う際に安定した床の役割を担っている設備であるため、足場がない状態で作業を行えば転落などの事故が発生する可能性が格段に高まるのです。

高所での作業は、僅かな油断や不注意が大きな事故を引き起こす可能性があります。

そのため、安心・安全な施工を実現するためにも、直接仮設工事は必ず行わなければなりません。

一方で、共通仮設工事とは事務所や休憩所などの仮設設備を設置する作業です。

多くの作業員が取り組む大規模修繕工事では、このようなインフラ整備も欠かせません。

これらの作業を全て終えて施工環境が整うと、次の工程に移ります。

2.シーリング工事

外壁材同士の隙間やサッシ廻りの隙間には、雨水の浸入を防ぐためのシーリング材が充填されています。

しかし、年数が経過することでシーリング材の断裂や肉痩せなどの不具合が生じて、防水性や気密性が徐々に失われてしまいます。

そこで、劣化・不具合が生じたシーリング材に対しても大規模修繕工事において手を加えて機能を回復させるのです。

シーリング工事では、古くなったシーリング材を全て撤去してから新しいシーリング材を充填するといった工程が行われます。

3.下地・タイル補修

コンクリートの躯体部分に発生したひび割れや破損を補修する工事のことを、下地補修と言います。

ひび割れや破損は損傷状態によって補修方法が異なるため、破損状況を確認して適切に対処しなければいけません。

一方で、タイル補修とはタイル貼り建物で行われる工事のことであり、劣化によってひび割れや浮きなどの症状が発生した箇所の補修を行う工事のことです。

下地やタイルの劣化・破損を放置していると、雨水の浸入による雨漏りやそれに伴う建物寿命の低下、劣化した箇所の剥落による大事故などの多くのトラブルを引き起こしかねません。

これらのトラブルを未然に防ぐためにも、下地・タイル補修は欠かせない工程なのです。

4.塗装工事

新築時と比べて色褪せた外観に対して新しい塗料を塗布する工事のことを、塗装工事と言います。

塗装工事は外観の美しさを保つといった理由以外に、建物を保護する目的があります。

塗料にはさまざまな機能があり、建物に付着した汚れを落とす・太陽熱を建物内部に伝えにくくするといったものなどが挙げられるでしょう。

また、建物本体だけではなく鉄の箇所に対する塗装工事を行うことで、サビや腐食の発生を未然に防ぐことができます。

5.防水工事

屋根や外壁、外階段やバルコニーなどといった、常に雨風に晒されている箇所に対する防水工事は非常に重要です。

防水工事は建物の新築時に施されていますが、年数が経過することで次第に機能が失われてしまいます。

そこで、防水工事を大規模修繕工事のタイミングで施すことで、建物内部への雨水の浸入を防ぎ建物の長持ちさせる効果が得られるのです。

防水工事にはシート防止やFRP防水などさまざまな種類があるため、どの工法を採用するかについては信頼できる専門業者と打ち合わせを行いながら慎重に検討していきましょう。

大規模修繕を行うべきタイミング

大規模修繕のタイミングを行わなければいけない時期は明確には決まっていません。

しかし、多くの建物において12年周期で実施されることが多いのです。

その理由としては、国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインにおいて12年程度で大規模修繕工事を実施した例が紹介されており、それが1つの基準になっているからです。

長期修繕計画作成ガイドラインには、大規模修繕工事における基本的な考え方や計画の立て方などが詳しく掲載されており、多くの専門業者がこの資料を参考にしているため、12年と言う考え方が広まったと考えられています。

建物の塗料・防水材・設備などは10年前後で寿命を迎えるため、12年と言う時期は理にかなった設定と言えるでしょう。

大規模修繕工事を成功させるポイント

大規模修繕工事は施工の範囲が広く規模が大きい工事であるため、多くの点において注意すべきポイントがあります。

これらのポイントを押さえずに計画を進めた場合、計画が失敗して取り返しのつかない状況になる可能性もあるのです。

ここからは、大規模修繕工事を成功させるポイントについてご紹介いたします。

1.建物の劣化状況を把握する

大規模修繕工事では建物においてさまざまな箇所に対して修繕を行う必要があります。

しかし、建物の形状や立地、使用状況などの要因により、同じ築年数の他の建物とは劣化状況が異なることが多々あります。

そのため、建物の劣化状況を正確に把握し、緊急性がある箇所を特定したうえで施工の優先順位を考えることは非常に重要です。

仮に劣化状況を把握せずに建物全ての修繕工事を一括で行った場合、費用が大きくなるため、予算オーバーになるといったことが起こり得るのです。

大規模修繕工事を計画した場合、まずは専門業者に相談して書類調査や外壁調査などを行い、状況を把握するところから始めましょう。

2.居住者の理解を得る

マンションにおける大規模修繕工事は、共用部における施工が行われることが多々あります。

大規模修繕工事において居住者は当事者であるため施工に関する説明を丁寧に行わなければいけません。

また、工事中は騒音や振動が発生するため、居住者の生活に大きな支障をきたすことが考えられます。

仮に大規模修繕工事の内容や建物の劣化状況などの説明を一切行わずに施工を始めた場合、居住者からのクレームが生じる可能性が高くなるでしょう。

このようなトラブルを回避し、スムーズに施工を進めていくためにも、居住者の理解を得るための対策が欠かせません。

3.綿密な資金計画を立てる

マンションにおける大規模修繕は、毎月居住者から徴収する修繕積立金を使用して施工が行われます。

しかし、さまざまな要因により修繕積立が不足するといったことは起こり得ることなのです。

その場合は、工事費用を抑えるために工事内容の見直しなどを行うことが求められます。

ただし、それでも予算がオーバーしている場合は、居住者から一時的に追加徴収を行うことや、金融機関からの借り入れをするといった対策を講じなければいけません。

大規模修繕工事は建物の安全を守り、資産価値を高めるために重要な役割を担っています。

適切な時期に実施するためにも、綿密な資金計画を立てることが何よりも重要なことといえるでしょう。

4.よくあるトラブル例を知っておく

大規模修繕工事ではトラブルが起こることがしばしばあるため、どのようなトラブルが起こり得るのかを把握しておくことが大切です。

よくあるトラブル例としては、先ほどもご紹介させていただいた居住者からのクレームや修繕積立金の不足が挙げられます。

他には、工事期間中に不審者が入り込むことによる空き巣などの犯罪被害が挙げられます。

このようなトラブルを防ぐためにも、事前に居住者に対する注意喚起や防犯カメラ・人感センサーの設置などを行うといった対策が必要になるのです。

また、今回ご紹介させていただいた例以外にもさまざまなトラブルが起こり得るため、事前にこれらの内容をチェックしておくことをおすすめします。

5.実績のある会社に依頼する

大規模修繕工事の実施において何よりも大切なことは、施工を依頼する専門業者の実績の有無です。

実績が少ない業者に依頼した場合、不慣れであるがために施工不良や遅延などのトラブルが生じる可能性があります。

東京都中央区に拠点を置く修工舎では、創業以来多くの現場で大規模修繕工事を実施してきた豊富な実績がございます。

都内だけではなく埼玉県や千葉県、神奈川県や茨城県の一部エリアなど幅広い範囲のご依頼を承っているため、まずはお気軽にご連絡ください。

大規模修繕にかかる費用

大規模修繕工事は、施工回数ごとにかかる費用が変動します。

その理由としては、年数の経過に伴い劣化箇所が増えるため、劣化の状態が悪くなっていくからです。

マンションにおける1回目の施工の費用相場は、4,000万円から6,000万円前後となります。

2回目では6,000万円から8,000万円、3回目以降では6,000万円から8,000万円、場合によってはそれ以上になることもあるのです。

また、マンションの規模によっても変動することがあり、特にタワーマンションなどのような特殊な建物の場合は相場よりも高額になりがちです。

今回ご紹介させていただいた費用はあくまでも目安であるため、正確な金額を知りたい場合は信頼できる専門業者に相談することをおすすめします。

大規模修繕の主な流れ

大規模修繕工事の計画を組む場合、施工の流れを把握しておくことが重要です。

流れを把握することで施工のスケジュール感も分かるため、専門業者との打ち合わせがスムーズに進みやすくなるでしょう。

ここからは、大規模修繕の主な流れについてご紹介いたします。

1.仮設工事

大規模修繕工事において最初に行われる施工は、仮設工事となります。

仮設工事は足場やメッシュシートの設置といったトラブルなく施工を進めるための準備が行われるものです。

さらに、トイレや事務所などの作業員用の設備が設置されるといったことも行われます。

仮設工事は最初に行われる施工であり、工事の品質を左右すると言っても過言ではないため、重要な工程です。

2.下地補修工事

建物は年数が経過することで、躯体部分にひび割れや欠けなどの破損が生じることが多くあります。

仮設工事が完了した後は、コンクリートの躯体部分に発生したひび割れや破損を補修する下地補修工事が行われます。

躯体部分の破損を放置したまま作業を進めた場合、どれほど高品質に施工を進めたとしても破損箇所から不具合が生じる可能性が非常に高いです。

下地補修は建物の寿命に大きく関わる工程であるため、必要不可欠な工程といえるでしょう。

3.タイル補修工事

建物の外壁などに貼られているタイルは、年数の経過に伴いひび割れや浮きなどの劣化が生じていることがあります。

このようなタイルの破損箇所から雨水が入り込んだり、損傷が広がって建物の耐久性を低下させたりするといったことが起こり得ます。

タイルの放置は多くの事故やトラブルの原因になるため、丁寧に作業を進めていかなければいけません。

4.シーリング工事

シーリング工事には、既存のシーリング材を全て撤去した上で新しいシーリング材を充填する打ち替えと、既存のシーリング材の上から新しいシーリング材を充填する増し打ちの2種類があります。

大規模修繕工事においては打ち替えが採用されることがあるものの、予算や状況に応じて増し打ちを検討するケースもあるでしょう。

それぞれに一長一短の特徴があるため、自身が納得する方を選択することをおすすめします。

5.外壁塗装工事

紫外線や雨風の影響を受けることが多い外壁は、年数が経過することで塗料の劣化が生じることがあります。

そこで、大規模修繕工事においては、下地と塗料の状態を確認し、大きな問題がなければ上から塗り重ねるといった塗装工事が必要となります。

しかし、劣化症状が進んで塗料の付着力が弱くなっている場合は、既存の塗料を撤去した上で塗装工事が行われるのです。

施工方法については、専門業者と打ち合わせてから慎重に検討しましょう。

6.鉄部の塗装工事

扉や階段などの鉄部は、塗装工事が施されていることできれいな状態を維持できているのです。

しかし、経年劣化によって塗装が剥がれ落ちた場合、その箇所からサビが生じるため定期的に塗装工事を行わなければいけません。

サビが発生している箇所があれば、サンドペーパーやワイヤーブラシを用いて丁寧に撤去していきます。

仮に鉄部のサビを放置していると、サビで居住者が怪我をする可能性があります。

鉄部の塗装工事は見落としがちですが、大規模修繕工事のタイミングで必ず行いましょう。

7.防水工事

新築時は建物の各箇所に施されている防水工事ですが、経年に伴い劣化が生じて本来の役割が果たせなくなります。

劣化した防水層を放置していると、そこから雨水が入り込んで雨漏りや建物内部の劣化などのようなトラブルを引き起こしてしまうのです。

そこで、バルコニーや屋根、廊下などのさまざまな箇所に防水工事を施すことで、このようなトラブルを未然に防ぐ効果を見込めるのです。

8.その他の工事

今回ご紹介した工事以外にも、大規模修繕工事において施工しなければいけない工事はいくつもあります。

例えば、給排水管の更新工事やエントランスの改修工事などです。

大規模修繕工事においては劣化箇所の修繕だけではなく、設備に対して改良を施すことで快適性や安全性を高めることが求められます。

どの工事が必要になるかに関しては、専門業者に現地の確認をしてもらった後に検討しましょう。

まとめ

大規模修繕工事は、仮設工事や塗装工事、防水工事やその他工事など、行われる施工の種類が豊富にあるといった特徴があります。

そのため、依頼を検討している際はそれぞれの工事に対する対応可否に加えて、施工実績を確認し、経験豊富な専門業者に依頼することが欠かせません。

修工舎では、戸建て住宅からビル、マンションまでさまざまな物件に対応しており、大規模修繕工事における実績も豊富にございます。

弊社は、調査から施工、アフターサービスまで一貫して対応しているため、迅速かつ丁寧なサービスのご提供を心がけております。

施工管理・保証制度も万全でございますので、大規模修繕工事などをご検討中の際は、ぜひ修工舎にお問い合わせください。

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